■かれんだー■
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       
<<前月 2016年01月 次月>>
■直近記事 20 ■
■コメント■
■カテゴリー■
■アーカイブ■
■2001-2004年の記録■
■ぶろぐ主宰者■
■ぷろぐらむ拝借■
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■その他■
 
■あどみん■
ADMIN ID:
ADMIN PW:
 

水上・湯檜曽 ホテル湯の陣へ雪見温泉
1月24日 日曜日

昨日台北から成田に到着。
台北は雨で、夜の雨の中を歩き回ったのでジーパンや靴などが濡れてしまい、飛行機の中ではとても寒い思いをした。
東京も寒波襲来とかで、夜半から雪になるとの情報であったが、目が覚めてみると雪など降った形跡はなく、よく晴れている。
今回の一時帰国の目的は、雪を眺めながら温泉に浸かりたいというもので、まるっきりの遊びである。

9時過ぎに池袋から温泉旅館へ向かうバスに乗り込む。
高速道路上の赤城高原サービスエリアではすでに雪景色。
空は快晴に近くて、白い台地に抜けるような青空、銀色に輝く上越国境の山々と、素晴らしい絶景。
この景色はタイでは見られない。

赤城高原サービスエリア
[赤城高原サービスエリア]

午後2時過ぎ、谷川岳ふもとの温泉旅館「湯の陣」に到着。
快晴だった空は、雪雲に覆われて粉雪が舞っている。
山の斜面が迫る部屋に通されると、部屋の窓からは屋根の廂からツララが延びている。

つらら
[つらら]

部屋から飛び出し、宿の前へ出てみると吹雪になっている。
視界が雪に閉ざされ、少し先も白くかすんでいる。
こんな雪景色を眺めたのは何年ぶりだろう。
セーターで飛び出してきたので寒いが、それ以上に雪が全身に降り注いで来て、みるみるセーターも白くなる。
しかし、東京あたりの湿った雪と違い、ちょっと払えばサラサラと雪を振り落とすことができる。

吹雪
[吹雪]

お目当ての温泉へ。
大浴場へ降りて「男湯」の暖簾をくぐる。
大きな内風呂と、露天の岩風呂がある。
硫黄臭いこともないし、無色透明で泉質には特徴はないようだ。
しかし、ちょっとお湯の温度が低いようだ。
長くのんびり入っているには都合が良さそうだけど、私は熱すぎるくらいで、3分と入っていられないくらいのお風呂が好きだ。
洗い場にはシャンプー、リンス、ボディーソープとボトルで用意されている。
ボディーソープなんてものより、固形の石鹸が好きだ。
特に温泉など大きなお風呂に行って、卸したてのまだ角が付いているような石鹸などに当たるとうれしくなるので、ボディーソープだとなんだかつまらない。

この旅館、建物の外、ちょっと離れたところにも露天風呂があるらしい。
それも「絶景露天風呂」と宣伝している。
そこへも行ってみる。
長くて寒い廊下を突き進み、旅館の裏口のようなところから外に出る。
外は雪。
館内のスリッパから下駄に履き替える。
露天風呂までは100メートルくらいだろうか、雪の中に小屋が見える。
そこまでの小道には温水を引いたホースが延びており、その部分だけ雪が解けてたりする。
しかし、歩きやすくない。

温泉小屋への道
[黒く見えるのが温水を流しているホース]

下駄の下に雪が貼りつく。
雪だるま式に貼りつく雪は大きくなり、しかも凍結して硬くなってしまい、まるで天狗の履く高下駄のようになった。
よろめきながら温泉小屋に到着するも、入り口に扉はなく、暖簾がかかっているだけ。
小屋は脱衣所になっているが、雪が吹き込み小屋の中も雪まみれ。

雪の吹き込む脱衣所
[雪の吹き込む脱衣所]

脱衣籠の雪を払いのけて、大急ぎで浴衣を脱ぎ、露天風呂に飛び込む。
「絶景露天風呂」と宣伝していたが、この雪では誰も入浴しに来ないのだろう無人の岩風呂。
お湯はさっきと同じ感じで、無色透明。
温度も少しぬるめ。

岩風呂

木立の中の岩風呂で、右手側に川が見える。
この景色が「絶景」かどうかは、少し首をかしげるが、
雪が降りしきる、白い雪景色の中、黒い岩と、黒い木立の幹がおりなすモノクロームな景色も悪くない。
岩は温泉で温められているのか、岩に降る雪は岩肌に付着したとたん溶けていくが、
岩の上の方は、温泉の熱も冷えてしまうのか、雪が解け切らず白く綿帽子をかぶっている。
私の頭の上も雪が降り積もっているようだ。
そして、一度溶けた雪が風が吹くと再び凍結し、頭が樹氷状態になった。

頭が樹氷
[頭が樹氷]

絶景かどうかは別問題として、この雪の中の露天風呂は悪くなかった。
しかし、湯から上がって、旅館へ戻るのは決死の勇気が必要だった。
足の指などもう少しで凍傷にかかるところだった。
浴衣の袖も凍り付いてバリバリになっていた。

バイキングの夕食
[タイから来ている身には嬉しい和風バイキング ゼンマイ美味しい]

夕食後、貸切風呂と言うのにも入浴してみた。
こちらは木の風呂で、なんとなく湯治場的な雰囲気がある。
大きくはないが小グループで入るには都合が良さそうだ。
しかし、貸切と言うことで私一人での入浴。

貸し切り風呂
[湯治場風の木の湯舟]

外は月夜である。
気温は零下20度とのことであった。

月
[雪は止んで月が出ていた 星もたくさんだったが写らなかった]

フロントで誕生日のケーキをいただく。
もともと誕生日割引のプランで予約している特典のケーキなのでサプライズでもなんでもない。
それに誕生日は昨日で、一日遅れのケーキ。
でもね、フロントの方も、ケーキを渡してくれる時に「誕生日おめでとうございます」くらい言ってくれたら、
ケーキの特典も効果が倍増すると思うのにな。

ケーキ
[フロントでいただいたケーキ]

今回の誕生日に家族以外で「Happy Birthday」を言ってくれたのは、会社のスタッフ以外に、台湾のイミグレーション係員だけだった。
午前3時と言う時間帯でもあり、人影もほとんどなく、照明も落として少し寒々とした広い出国審査場の片隅で、イミグレーションの制服を来た若い女性係官かパスポートを私に返す際に、"Happy Birthday"と言ってくれたのだから、これはちょっとうれしかった。
逆にオイオイと言うケースもあった。
生命保険会社の方がどうしても会って話がしたいと言って、東京の我が家へ昨日やってきた。
こちらも短期の滞在で、時間がないので電話ですましたいと申し上げたのだが、電話ではダメと言うことで訪問を受けた。
案の定、保険の見直しなどについての説明を受けたが、銀行より利回りが良いとか、節税効果があるとか言われても、国外居住者である私には無縁である。
挙句の果てに、「アンケートにお答えいただいたのでプレゼントのカードホルダーをお届けに上がりますが、御都合はいつがよろしいですか?」と聞かれる。
カードホルダーなんが欲しくてアンケートに協力したわけでもないし、届けに来ていただく必要などない。
それに彼女たち、ライフプランナーと言うことになっているけど、当日が私の誕生日だってことに気が付かなかったのだろうか?
だからどうしたってことはないけど、ライフプランナーとしては、ちょっと気が利かないなと思った。

ホテルのフロントでいただいたケーキは小さくて白くクリームを塗ったケーキだった。
とてもシンプル。
ほんの少しだけイチゴの欠片がスポンジに挟み込んであるが、ケーキの上には何も飾りがなく、白くて丸いだけ。
ちょうどここの雪景色とおんなじだった。
でも、52歳の誕生日には無関係だけど、もし子供たちや若い人へのサービスだったらメッセージプレートがあった方がいいだろうし、キャンドルは必須だったろうな。

<HR>

翌朝も絶景露天風呂へ
今朝は下駄ではなく、ゴム長靴を借りる。
そして今朝も誰も入浴していない。

翌朝も露天風呂へ
[晴れていたらこの先に谷川岳でも見えるのだろうか?]

今朝もぬるめのお湯だけど、流れ込んでくるお湯は熱い。この流れ込んでくるあたりが快適。
源泉

温泉小屋の外れ、雪の中に小さなお堂があるのを発見。
膝上まである雪を踏みしめながら、どのようなお堂なのか確認しに行ってみる。

雪の中のお堂

中を覗き込んでみたらお地蔵さんであった。
何か由来でもあるのだろうか?
賽銭箱があるけれど、長靴に浴衣姿で財布を持っていないので、
賽銭も投げず手だけ合わせてお参りする。

お地蔵さん

足湯

宿の外には足湯もあった。
しかし、そこまではさらに雪が深く、とても歩いては行けそうにないので断念。

午後2時過ぎに迎えのバスが来た。
旅館の前までは融雪設備がしっかりしていて、路面に雪はないが、旅館から先は除雪はしてても路面に雪が積もっている。
温度計はマイナス3度を示していた。

-3℃

バスは老神温泉を経由して、高速道路を南へ走る。
だんだんと雪景色が見えなくなるとともに、夕闇が迫ってきた。
夕焼け空のもとに富士山が見えた。

高速道路で夕暮れ

誕生日プランのため、一泊二日、往復のバス代込み2人でで1万6千円でおつりが来た。

| https://chiangmaikk.com/blog/index.php?e=33 |
| | 11:27 AM | comments (0) | trackback (0) |
スタッフに囲まれて
1月22日 金曜日

本日は夕方の飛行機で台北へ飛ぶので、仕事は昼には上がる予定になっている。
そしてそのまま来週の火曜日まで休みを取っているのでテキパキと仕事を処理しないといけない。
一心不乱にパソコンへデータを入力していたら、
「タローさん、ちょっと話があるので来てよ」とスタッフに呼ばれた。
だいたい、シニアスタッフが私の机へ来て報告したり、相談するのがいつもの仕事やり方で、
別室に呼ばれるというのは、なにか深刻なトラブルか、私への苦言のことが多い。
シニアスタッフについて歩き始めたら、後ろからもう一人のスタッフが着いてきた。
これはまずい気配である。
このスタッフはこのところ毎日就業時間が過ぎても残って残務処理をしてくれている。
私が常日頃「残業をしなくても良いよう仕事のやり方を工夫するよう」にスタッフに言っている。
そのため一年前に比べて、スタッフは終業時刻になったらさっさと帰るようになった。
しかし、このところ業務量が大幅に増えている。
就業時間内で処理するには負担が大きくなっているのも承知しているが、
彼女たちは残業の申請をしてこない。
他のチームのスタッフは青天井のような残業をしているので、今まで私に何も言ってこなかったけれど、不満が溜まっているのだろう。
それに、私はスタッフたちの仕事を手伝ってやれるようなことはほとんどない。
手本も示さず、工夫して終業時間内に仕事を終わらせるように指示するのは、自分でも理不尽だと思っている。
気分が重いまま、しかしスタッフたちの不満を聞くことで、少しはガス抜きになるのなら、そのくらいのことは引き受けなくては、、、

ミーティングルームはガラス張りである。
空いている部屋を素通りして、一番奥の部屋へ。
なんと、ウチのチームのスタッフが全員集合している。
これは団体交渉か、はたまた人民裁判か?
私のチームは約20名ほど、そして私以外全員タイ人で、一人を除いてみんな女性である。
覚悟を決めてミーティングルームの扉を開ける。

「ハッピー・バースデイ・タローさん」
テーブルには大きなアイスクリームケーキ。

目がウルウルしてしまった。
こんな経験は初めてですよ。

以前マーケティングチームにいた時は、誕生日には取引先からいくつものケーキなどが届けられたりしたが、
いずれも義理や営業でのプレゼントだった。
そして、私が仕事を終えてキャンティーンに入ってみると、ケーキはスタッフたちに食べ散らかされ、
"Happy Birthday Taro"と書かれたチョコレートのプレートだけが無残に残っていると言う状態だった。

今のチームでは、どこからもプレセントなど届かない。
社内の仕事としても、裏方の仕事で、華やかなところなどちっともない。
私はマーケティングチームから、このチームに移った時、まるで左遷させられたような印象を受けた。

スタッフたちの待遇も、給与面を含めて、他のチームより全体的に劣っている。
そのため、スタッフは使い捨てのようなイメージがあり、辞めていくスタッフが多く、常にスタッフを募集していた。
裏方の仕事ではあっても、責任の重い仕事である。
ミスをすれば言い逃れはできない。
業務量は多く、しかも熟練と忍耐を要する。
スタッフたちは自分の仕事をこなし、辞めていったスタッフの仕事も引き受け、新人へ仕事を教える。
これでは効率が上がるわけがない。
ピーク時は、午前3時すぎまで残業をし、会社の近くに住むスタッフのアパートはまるで合宿所のような状態になっていた。
日本でなら完全にブラックだ。
私がまだマーケティングチームにいた時、ちょうど大みそかの日にある業務上のミスが発覚し、
リカバーをするため取引先に今のチームの担当者を連れて出向いたことがあった。
辛抱強く交渉してリカバーもできて、職場へ戻るとき、そのスタッフと話しながら歩いた。
30代のシニアスタッフで、色白で顔立ちの整った女性である。
持ち物もセンスの良いものを持っていて、いいところのお嬢さんのようでもある。
責任感も強くいつも夜遅くまで仕事をしていた。
日本ならセクハラで訴えられそうだけど、
「あなたはとても美人なのに、結婚されないんですね」
くだらないことを言ってしまった。
そうしたら、彼女は少しうんざりといった表情で答えた。
「仕事が忙しすぎて、恋人と出会う機会もないままにこんな歳になったゃったのよ」

もし辞めていくスタッフがいなければ、単純に効率は上がるはず。
深夜の残業などしなくても済めば、ストレスも減るだろう。
スタッフはみんな若い女性だ、私の権限で給料を上げてあげるわけにはいかないけれど、
プライベートの時間をもてるような環境にしてあげたかった。
仕事は手伝えないが、仕事のルールを見直すことや、他のチームへの渉外なら私にもできる。

半年以上前から、残業はほぼなくなった。
退職者も一人も出していない。
仕事の効率が格段に上がった、ミスは減ったし、重大なミスは皆無だ。
年末にはこれまでずっと日陰のチームだったの、初めて会社への貢献が認められて、チーム全員で表彰を受けにステージへ登った。
この一年間、本当にスタッフたちはよく頑張ってくれた。
スタッフたちには、とても感謝している。

恋人と出会う機会もなかったと言っていたスタッフは今、私の右前のデスクにいる。
毎日定時に仕事を終えて帰宅できるようになった。

アイスクリームケーキ
[アイスクリームケーキ]

| https://chiangmaikk.com/blog/index.php?e=32 |
| | 03:38 PM | comments (0) | trackback (0) |
サッタヒープで初泳ぎ
1月3日日曜日にサッタヒープへ海水浴に行ってきた。
今年の年末年始は休みを取っていなかったし、それと昨日の土曜日、定例のタイ日ユースセンターでの水泳が施設の休業のためプールが使えず、泳ぐことができなかった。
そこで今年の初泳ぎをしようと考え、せっかくなのでサッタヒープまで出かけることにした。

朝5時過ぎに起きておにぎりを作る。
ネコを連れて行こうと、ネコのための支度をする。
魔法瓶にコーヒーを詰める。
洗濯物を屋上に干しに上がる。
そんなことをしていたら出発は7時になってしまった。

アパートを出てすぐラマ9世通りを東に走り、高速道路に走る。
この年末年始期間、この高速道路は無料開放されている。
ちょっと得した感じ。
チョンブリーから先のハイウェイは、以前に比べるとだいぶ道路の補修が良くなっている感じだ。
以前は大型トレーラーや過積載のトラックのために路面に轍ができていたり、継ぎはぎだらけだったのが、きれいになっている。
しかし、交通標識を見たらばバイクの走行が禁止されている。
以前はバイク禁止になんかなっていなかったはずで、私もバイクで何度か大型トラックに挟まれながら怖い思いをして走ったことがある。
「バイク・歩行者禁止/違反者は罰金5,000バーツ」と書かれている。
しかし、このハイウェイをバイクで走れなくしたら、バイクはどこを走れというのだろうか?
それに、なんだかところどころハイウェイ沿いに高速道路の料金所のようなものを作っている。
ひょっとして、このハイウェイを有料の高速道路にしてしまうつもりなのではないだろうか?
最近タイの政府が高速道路網を作ると騒いでいるけど、新しく高速道路を作るのではなく、既存のハイウェイを有料の高速道路に仕立て上げようとしているだけかもしれない。

サッタヒープには9時半に到着。
2時間半で来れたのだから、なかなか順調だった。
交差点で右折して海軍基地へ入る。

海軍基地入口
[海軍基地の入口]

検問所で身分証明書と交換に入域許可プレートを受け取る。
しかし、パスポートを持ってくるのを忘れていた。
仕方なしに運転免許書を出したら、別に何も言われずに許可プレートが渡された。
つのりこの検問所から先は免許不携帯での運転と言うことになる。
もっとも軍の敷地内だから警察の取り締まりなどないだろう。

ビーチ前の駐車上に車を止めて、ビーチ前にマットを敷いて陣地を構築する。
ネコが勝手にどこかへ行ってしまわないように、首輪にヒモをつけ、ネコ用バスケットと結ぶ。
天気もいいし、海の水がきれいそうだ。
ちょうど満潮に近い時間なのだろうか、ビーチの砂浜はとても狭くなっている。
まずは海を眺めながらコーヒーを啜る。

ビーチ到着
[サッタヒープのビーチ到着 天気も良いし いい感じ]

タイ人の家族連れもたくさん来ている。
朝からウイスキーのボトルを並べ、ソーダ水など1ケースも持ち込んでいる宴会組もいる。
弁当持参組も多い。
私もおにぎり持参だが、タイの人たちがビーチで食べるのはソムタムやガイヤーンなどイサーン料理が多いようだ。
どうして海辺に来ると海のないイサーンの料理をタイの人たちは食べたがるのだろうか?

ネコも一緒

まずは、ひと泳ぎ。
遠浅である。
砂が白い。
ゴミなんて全然ない。
やっぱり乾期だからだろうか、離島でもないのに、海水の透明度が非常に高い。
すごく、クリーンでクリアーだ。
ひょっとするとタイ日ユースセンターのプールよりも透明度が高いのではないだろうか?
波打ち際には小魚が泳いでいるのが見える。
波はさざ波が立つ程度で、いたって穏やか。
沖へと歩き、ひざ上まで海水が来たあたりから泳ぎ始める。
まるで水の存在を忘れてしまうくらい、透き通っている。
海底には石も海藻もない。
白くてサラサラの砂ばかり。
海底のところどころにまるで白砂の大便のようなトグロがある。
この犯人はナマコだろうか?
しかし、ナマコの姿はまるで見当たらない。
透明な水底の白い世界。
海底の砂漠と言うか、生命の痕跡すらない死後の世界のような水中である。
しかし、魚たちは泳いでいる。

ビーチ2
[砂浜は狭まっているが ビーチの幅は広い]

いったん浜へ上がり、少しお腹もすいたのでおにぎりを一つ食べる。
おにぎりは2つ作ってきている。
それと大みそかの日に作った大福もちも持ってきているが、大福は日が立ったためか、餅が硬くなり始めている。
コーヒーではなくてお茶を持ってくるべきだった。
太陽がたかく昇に従って陸から眺める海の色がますます透明感のある青になってきた。
数百メートルほど先に小島が浮かんでいる。
この程度の距離なら泳げそうだ。
よし、いっちょ試しに泳いでみるかな。

ビーチ1
[数百メートル先に小島が見える]

クロールや平泳ぎで、浜と島の中間くらいまで来たところで、ネコのことが気になりだした。
マットの上でヒモにつながれて待っているネコの3メートルほど先で犬が昼寝をしていた。
ウチのネコは犬が何たるかも知らない箱入り娘なのだが、犬は誰かのペットでここに連れてこられたお坊ちゃまではなく、野良のようだ。
ネコが犬と喧嘩でもしたら一大事である。
ここはひとつネコを車の車内に押し込んでおくのが賢明と判断し、再び浜へ戻り、ネコを車の中へ閉じ込める。

浜辺でのネコ
[海水浴にネコは関心がないようだ]

駐車場わきでは、絵を売っていた。
20バーツから50バーツほどなのだが、漫画のような絵であり、こんな絵を買い求める人がいるのだろうかと思う。
しかし、いるのだろうから売っているんだろうな。

浜辺の画商
[小20バーツ 中30バーツ 大50バーツ・・どんな人が買うのだろう]

オープンエアーのトロリー型のバスもある。
これは軍の中の敷地内でも循環しているのだろうか?
カーキ色のシャツを着て真っ黒に日焼けした兵隊さんたちが厳しい訓練をしている施設の中で、随分とリゾート感覚のある乗り物があるものだ。

リゾートバス

これで安心して泳げるぞと、小島へ向けての遠泳に再挑戦。
クロールで泳ぐと進むペースは早いのだが、前方の小島を目視しながら泳ぐことができず、息継ぎで顔を上げても横向きのため前方が見えない。
海底にもプールのように進行方向に向かってラインが引かれているわけではない。
そのため気が付くとてんで見当違いの方法へ向かって泳いでいたりした。
やはり正面へ向けて顔をあげられる平泳ぎが確実のようだ。

だいぶ島が近づいてきて、あと100メートルちょっとくらいかと思われるあたり、水中に顔をつけて泳いでいると、スクリューの音が近づいてくるのが聞こえる。
止まって後ろを振り向いてみると船外機をつけたボートがまっすぐ私の方へ向かって進んでくる。
たぶんこのボートも小島を目指しているのだろう。
ボートは波を蹴立てて、近づいてくる。
私に向かって一直線に近づいてくる。
どんどんボートの舳先が迫ってくる。
まずい、ボートの後ろで船外機を操る船頭は私に気づいていないのだろう。
大急ぎで私は左に避ける。
私から1メートルほどのところをボートは通過していった。
ようやく私に気づいたらしい船頭は驚いたような表情をして、何か言いかけていたようだが、エンジン音にかき消されて聞こえなかった。
そして停船もせずにそのまま島へと向かって進んでいった。

前方不注意のボート
[このボートが私に向かって突っ込んできたボート]

いやいや、危ないところだった。
そんなところで船とぶつかったり、スクリューに巻き込まれたりしたらたまったものじゃない。
ボートは何もなかったかのように小島近くで停泊し、シュノーケリングをする乗客が海に飛び込んでいくのが見えた。
なんだか、興ざめしてしまい、小島まで泳ぐのは中止する。
それでも、ここが嫌になっり、急につまらなくなったたわけではない。
周囲に誰もいない沖で、水面に仰向けになってプカブカ浮いて、さざ波と一緒に漂っているのは何とも気持ちがいい。
波打ち際ではしゃぐ人たちがいても、日本の海水浴場のように混雑しているわけではないし、ましてやパタヤなどのようにジェットスキーやバナナボートが行き交う騒々しさもない。
青い空と、その空の色を映した海、そして海と空との境界線に緑色した山や木立が取り囲むように見える。
太陽もほぼ真上に上ったようだ。

透明度の高い海
[こんなに透明な海で泳いだのは久しぶり]

ビーチに戻るともう12時を回っていた。
今日は早めに帰らないとハイウェイが大渋滞するはず。
残っているおにぎりをもう一つ食べて、あと一時間だけとまた海に入る。
こんどは海の中で魚を追いかけて遊ぶ。
小魚たちをよく見ているとときどき海底の砂を突いたりしている。
砂ばかりしかなさそうに見えても、魚たちには砂に交じって食べ物が見えるのだろう。
目が悪いので、くっきりとは見えないし、魚たちもじっとしててくれないので、魚たちをじっくり観察できないのだが、ほとんどの魚が白っぽい体に、薄茶色の模様を付けている細長い連中だ。
サンゴのある所なら、もっとカラフルな魚たちも見られるのだろうけど、砂浜の海でこんなにも魚と遊べるだけでもすごいと思う。

1時過ぎに撤収。
マットをたたみ、5バーツ払ってシャワーを浴びる。
フードセンターではシーフードグリルだろうか、海産物を焼く香ばしい香りが漂ってくる。
おにぎりを食べたばかりだけど、焼きエビやイカなんかを緑色で辛いソースにつけて食べたくなる。
しかし、食べればビールも飲みたくなり、飲んだら運転できなくる。
ここは辛抱。

水兵のモニュメント

ネコが待ってる車に乗り込み、ビーチの少し先で、海を背景にネコの写真を撮ろうとしたが、ネコはモデルになってくれる気配は一切ないようで、ちっともじっとしてくれない。
そのうちにどこからか兵士がやってきて注意を受けた。
「この場所に車を止めることは禁止されています」

海とネコ1海とネコ2

次に岬のある丘へ登ってみる。
丘の上には、廟のようなものがあり、正月だからなのか、やたらと派手に爆竹を鳴らしている。
海軍の船の模型も展示されている。
櫓が立ち、展望台のようになっている。
眼下には海軍基地が一望でき、軍艦も停泊している。
櫓の周りには「ここからの写真撮影、望遠鏡の使用厳禁」と警告が書かれているのだが、ここに登ってくる行楽客は意に関せずで、景色を眺めてはスアイ、スアイと喜んで携帯電話で盛んに写真を撮ったり、ポーズを決めて自撮りしたりしている。
監視役の兵士ももういちいち注意することを諦めている様子。
私はさすがにちょっとだけ遠慮して、櫓の上からの写真撮影はせず、木立の切れ目からシャッターを切った。
サタヒープ岬の先にも小島が点在しているのが見える。

岬の先
[サッタヒープ岬の先にも小島が連なっている]

軍艦も停泊
[軍艦も停泊している]

爆竹
[やたらと爆竹がはぜる]

タイの海近くの丘はどこでもそうなのかもしれないが、この丘にも野生のサルがたくさんいる。
途中、群れをなしているところがあり、車を止めたら、エサでもくれるのかと思ってか、サルたちが私の方をじっと見つめて注目している。
私はサルが喜びそうなものなど何も持っていない。
そのうち一匹のサルが車の窓に飛びついてきた。
10センチほど開けてある窓ガラスに取りついたので、ネコと喧嘩でもされたら大変と慌てる。
が、ここでもトラブルにはならず、サルは車から飛び降りた。

サルの群れ
[道端で餌をもらえるかと待ち構えるサルたち]

飛びかかってきたサル
[このサルが車に飛びかかってきた]

軍の施設から出る前に、施設内のスーパーへ立ち寄ってみる。
田舎のスーパーのようで陳列の仕方とか野暮ったいが、軍の施設の一部だからなのか、市価より若干安いようだ。
たとえばタイのインスタントラーメンだが、一般のスーパーでは一袋6バーツだが、ここでは5バーツ50サタン、つまり0.5バーツ市価より安い。
日本にある米軍施設のスーパーやPXのように免税と言うほど安いわけではないようだが、ほんのちょっと安くしているので、どの商品も1バーツ未満の端数が付いている。
私はモチ米の粉とタピオカの粉、そして塩煎りの南京豆を買う。
40バーツだしたらおつりが来た。
モチ米の粉だけでも、先日大福を作るため会社の近くのスーパーで買ったら40バーツ近くしたのと比べると、同じブランドではないにしろ、随分と安いものを売っているようだ。
衣類売り場では、ブラジャーが山積みになって売られていた。
海軍基地でそれほど需要のあるものなのだろうかと首をかしげたが、家族持ちの兵士もいるだろうし、それに市民にも開放されているから、兵士以外にもブラジャーを買い求めるお客はいるのだろう。

外を眺めるネコ
[ゆっくり走るとネコは伸びあがって外を眺める]

帰り道、パタヤの現金問屋風スーパーのマクロにも立ち寄ってみる。
マクロのパンが好きで、特にフランスパンが気に入っている。
店ごとにパンを焼いているようで、同じマクロでも店によって焼き加減が違う。
で、パタヤのマクロだがパタヤは外国人長期滞在者が多いためか、バンコク市内のマクロよりもパンが充実していた。
表面をパリっと、中をふんわりと焼き上げたいろいろな種類のパンがある。
バゲットのフランスパン以外にももう一種類アーモンドのような形をしたパンを買う。
たまらず、車のハンドルを握るとともにそのパンにかじりついた。
カリカリと表面が崩れ、中から白くて柔らかな部分が現れる。
小麦の味と香りが広がる。
ほんのり食塩も含まれていて、マーガリンなしでも美味しい。
コーヒーでもあればいいのだが、コーヒーはさっきおにぎりを食べるときに全部飲んでしまった。

なお、マクロでレジを通る際に、ひと悶着。
ミリンがそろそろなくなるので、買い置き用にとペットボトル入りのミリンを買い物かごに入れていたのだが、レジの係員より、「これは今の時間販売できません」と言われた。
ミリンにはアルコールが含まれているのが、タイの法律で午後5時まではアルコール飲料の販売が禁止されているのだとか。
そんな法律くらい、当然知っているが、このミリンは飲み物ではない。
「アルコール飲料ではなく調味料だよ」と抗議したが受け付けられなかった。
さらに驚いたことに、「タイの法律により10リットル以上のアルコール飲料は酒類販売免許を持つ業者にしか販売しない」とのラベルまで張られている。
タイでは日本料理がブームになっているが、ミリンと言う調味料とアルコール飲料との区別もつけられていないようである。
これでは日本料理屋では午後2時から5時までの間はお吸い物だって提供できなくなるのではないだろうか?

途中、スワナプーム空港の合流地点でちょっと渋滞しただけで、夕方5時半にはアパートにたどり着いた。
ネコも疲れたのか、帰りは私の膝の上で大半を寝てすごていた。

膝で寝るネコ
[帰り道ではネコも疲れたのかこんな感じ・・]

| https://chiangmaikk.com/blog/index.php?e=31 |
| | 12:03 AM | comments (0) | trackback (0) |
PAGE TOP ↑