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ピサヌローク発バンコク行き鈍行列車の旅
12月23日 日曜日

このところピサヌロークとバンコクの往復に車を運転していくことが多かったのだけれど、往復700キロ超を毎週続けていると、そろそろ疲れてくる。
しかも、今週は二往復しなくてはならないので、運転せずに汽車で行くことを考えた。

ところが、いざ汽車の切符を買いに駅の窓口へ行ったら「満席」と言う。
あるのは三等車だけと言うありさま。
しからば、予約のいらない鈍行列車なら、せめてエアコンがなくても二等車があるかもしれないと考えた。
そのことを駅の係員に聞くと、二等車の有無はその日にならないとわからないし、もし二等車が連結されていたら、車内で車掌に差額を払って利用するようにとアドバイスを受ける。
バンコク行きの鈍行は朝6時5分発と早い。

当日、駅の窓口でまずはバンコクまでの鈍行3等席の切符を買う。
なんと、たったの69バーツ。
タイ国鉄は長いこと運賃の値上げをしていないので、こんな金額でバンコクまで行けてしまう。

まだ夜が明けておらず、ホームの明かりの中に、バンコク行きの鈍行は止まっていた。
ホームにいた車掌に「2等車はあるか」と聞くと、あるという。
一番前の車両がそうだという。

夜明け前のピサヌローク駅
[鈍行は格下だからか、ちゃんとしたホームではなく、側線に止まったまま]

正確に言うと、一番前はディーゼル機関車で、その次が荷物車となっている。
その後ろに2等席のある客車がつながっているのだけれど、2等席は車両の前半分で、後ろ半分は3等席になっている。
2等も、3等もどちらもガラガラ。
2等など、私以外誰も乗っていない。

鈍行の2等座席車
[手前が二等で、奥が三等、どちらもガラガラ]

2等と言っても、別に豪華でもなく、車両も古いけど、シートにはクッションもあり、リクライニングもするので、バンコクまでの長旅にも耐えられそう。
3等になると、シートは硬くて、長い時間座っているには座布団を持参が欠かせないし、それに幅も前後の間隔も狭い。
当然リクライニングなどするわけがない。

さっきホームにいた車掌が検札に回ってくる。
なかなか愛想が良い。
そして、私の持っている3等の切符と2等との差額が90バーツと説明する。
差額を払うと、1枚10バーツと書かれた車内清算券を9枚渡される。
つまり、ピサヌロークからバンコクまでの鈍行2等運賃は159バーツと言うことになり、3等の2倍以上。

3等切符と差額清算券
[小さくて白いのが二等への差額補充票]

定刻に動き出す。
外はまだ暗く、そしてエアコンもないのに、車内は寒い。
短パンにTシャツと言うラフなスタイルで乗り込んだので、寒くて震えそうである。
膝の上にパソコンを載せて、キーボードを叩いてみる。
パソコンからのぬくもりがうれしい。
昨晩ガソリンスタンドのオーナー夫人にあったとき、「これから寒くなりますよ、気温が25度くらいまで下がるらしいわ」と言われていた。
なぁに、25度なんか、適温じゃないかと思っていたけれど、この寒さは20度以下に感じられる。

平原での夜明け
[夜明けの空の色が刻々と変わっていく]

夜が明けて、大体5分おき位の間隔で、駅に止まっていく。
本当に小さな駅もあるが、それでもちゃんと駅員がいて、花壇などもあったりする。
バンコクまで全部で65の駅があるらしい。
予定ではバンコク到着は午後2時5分。
所要8時間の予定であるが、走り始めてまだ2時間くらいしかたっていないけれど、もう20分近く遅れが出ている。

車内のタイ式トイレ
[トイレにはちゃんとペーパーまで用意されている]

チュムセーン駅を過ぎると、進行方向左手側に富士山みたいに三角形をした山が見えて来た。
周囲に山があるわけでもなく、ポツンと平野の中にあって、ずいぶんと目立つし、スタイルも良い。
しかし、大きな山ではないようだし、やはり富士山のように周りに前山を従えて聳えているのと違って、威厳のようなものは感じられない。

三角形の山
[平原から飛び出したデベソみたいな円錐形の山]

午前9時前、やはり左手に湖沼が見えてくる。
タイ最大の淡水湖沼のブーンボーラペット。
何年か前に来て、ボートを雇い、見学をしたことがあるけれど、渡り鳥なのであろうか、ものすごい数の水鳥が、ボートに驚いて、一斉に飛び立つ光景は印象的だった。
鳥たちには驚かせて申し訳ないが、あれは本当にすごかった。
そのブーンボーラペットが車窓から見えるには見えるけれど、湖岸すぐのところを列車が走るわけではなく、遠目に眺めるだけであった。

ブーンボーラペット
[タイ最大の淡水湖ブーンボーラペット そろそろ渡り鳥のシーズン]

パークナムポーはこのあたりの中心都市ナコンサワンの昔の名前だけれど、駅名としてナコンサワンとは別に使われている。
駅の周囲には、街があるようにも見えない代わり、この駅の構内には転車台がある。
SLの向きを変えるためのターンテーブルなので、ディーゼル機関車ばかりの現在は無用なはずなのに、ちゃんと残されている。
昔の転車台のような重厚なものではなく、工事現場の資材置き場にでもありそうな、簡易的なものだけれど、今のタイでは珍しいのではないだろうか。
バンコクでも年に何度かSL列車を特別運行するが、転車台がないからか、2両のSLがそれぞれ後ろ向きに入子に連結して、前後どちらにも走れるようにしている。
パークナムポーの転車台は何度も車窓から眺めたことがあるけれど、鈍行なので急行よりもよく眺めることができた。
転車台につながる扇形車庫に機関車はなく、転車台の上には石油を運ぶタンク車が乗っていた。

パクナムポーの転車台
[この転車台は現在どんな目的で使われているのだろうか]

ナコンサワンを過ぎた11時少し前、車内販売からシュウマイと中華麺を買う。
ナコンサワンは華僑の街で、中国風の食べ物がおいしいとされている。
まだ時間も速いし、空腹ではないけれど、ここで仕入れておく方が良いと判断。
いずれも一パック20バーツとお手頃価格。
鈍行列車に乗る人たちの財布事情を考えて、車内販売で売っているものも、大体が20バーツ以下のようだ。
カットフルーツや茹で卵、ガパオライスにパッタイなど。
外国人旅行者もよく利用するバンコクとチェンマイを結ぶ特急の車内販売が50-100バーツのモノが中心なのとはだいぶ違う。

シュウマイ20バーツ
汁なし中華麺20バーツ

2等席は依然としてガラガラ。
私は進行方向向かって右側に座っていたけれど、車掌が通りかかり、「これからは窓から日が差し込んでくるから、通路の反対側に移られた方が良いようですよ」と声をかけて行った。
この車掌、愛想もいいし、なかなかサービス精神もある。
進言に従い、左側に移る。

すぐ後ろの3等車にはだいぶお客さんが乗り込んでいるが、2等車には私以外一組しかいない。
駅に止まるごとに乗客が乗り込んできて、席に着くが、車掌から差額の説明を受けると皆スゴスゴトと後ろの3等へ移っていく。
倍以上の差額を払っても、バスより安いとは思うけど、やっぱり倍以上のコストと認識する人たちが鈍行を利用しているのだろう。

車窓
[中部平野は灌漑設備が整っているので一年中お米ができるはず、これは稲刈りの終わった田んぼ]

列車の遅れは45分ほどとなり、午後1時過ぎにアユタヤに到着。
観光地アユタヤだけあって、ホームには西洋人バックパッカーや中国系観光客などが溢れていた。
そして、ホームから写真をパチパチやっていた彼らが一斉に乗り込んできて、2等もあっという間に満席になってしまった。
今までと同様に車掌が差額の回収に回ってきて、「あなたの持っている切符は3等のもので、もし2等に座っていたければ、追加料金20バーツで、さもなければ後ろの3等へ移られてください」と英語で説明して回っている。
素直に20バーツを払っている人もいれば「自分はちゃんとバンコクまでの切符代として16バーツを払って乗っている」と多少ゴネている人もいたが、最終的にはみんな差額の20バーツを払ったようだ。
私の隣の席は一つだけポツンと空席のまま。
途中で満席の3等から移ってきた人が座るが、差額の説明を受けると、すぐに立って後ろへと戻っていく。

西洋人たちで満席
[ガラガラから一転して満席に、、]

アユタヤを過ぎてからは、あとから来た列車に次々と抜かされる。
走りながら抜かされるのもあれば、駅に退避して、後続をやり過ごすこともある。
ピサヌロークを9時前に出発した快速列車にも抜かされてしまう。

コウノトリ
[チャオプラヤ川下流域には無数のコウノトリが乱舞している]

ドンムアンを過ぎて、遅れはますます大きくなり、1時間以上の遅れとなる。
結局、終着のバンコクへは3時半となってしまった。
ピサヌロークから9時間半もかかったことになる。
車の約倍の所要時間。
でも、座っているだけなので、身体は楽だったし、それなりに景色も楽しみ、風俗の観察もできて良かった。
それにガソリン代と比較すると、4分の1とコストパフォーマンスが最高。

バンコク到着
[一時間当たり20バーツで楽しめる旅の終着駅]

バンコクのアパートにたどり着いたら4時を回っていた。

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