4月16日(日)
オランダでの3日目。
実質的に今日がオランダでの滞在最終日。
これまでの2日間は天気に恵まれてたのだけれど、今日はあいにくのどんよりと曇っている。
[曇り空]
さて、既にこのブログにも書いたのだけれど、今回の旅行記事をブログに書いておこうと思ったら、「メインテナンス中」と表示されるトラブルに見舞われた。
朝早く目を覚ましてベッドから抜け出して一人ホステルのレセプション前でラップトップパソコンと睨めっこするが、どうにも埒が明かない。
この日も朝食をしっかり食べることができた。
しかし、学生たちのグループでも泊っているのか朝食会場は学生風でほぼ満席の盛況だった。
朝食に時間がかかりホステルを出たのは朝9時になってから。
雨は降っていないが、いつ降り出してもおかしくないような空模様。
一応折り畳み式の小さな傘やビニールのレインコートはカバンに入れてある。
雨が降られて一番困るのは靴。
いつもながら靴底がすり減って穴が空いている。
今の靴はまだ買って2ヶ月くらいしか履いていないはずなんだけど、もう穴が空いてきている。
以前は半年くらい履き続けられたはずなのに、靴の素材が悪くなっているのかもしれない。
新しい靴に買い替えるのも納得いかないので、エポキシ系の接着剤で追加のゴム底を貼り付け簡易修理をしてきた。
しかし、そのゴム底も既にすり減ってしまっている。
今回の旅行中も連日随分と歩き回っている。
すり減って当然かもしれない。
本日は本格的にチューリップを眺めたいと思っている。
オランダでチューリップを見るとしたらばキューケンホフ公園が有名。
ここも昔ツアーで行ったことがある。
とんでもなく広いチューリップのテーマパークのようなところだった。
この季節、オランダに旅行する人の多くがキューケンホフを目的地にしているのではないかと思う。
しかし、今回の私はキューケンホフ公園に行くつもりはない。
だいたい、入園料が高い。
テーマパークそのものに関心もない。
ただチューリップが見たいだけ。
それでもキューケンホフの周辺にはチューリップの栽培農家が多いらしいという情報から、キューケンホフ方向へ向かうバスに乗ることにした。
バスはハーレム駅前から乗れるので便利。
でもハーレムからのバスはキューケンホフ公園の正面には乗り入れてなく、1キロほど手前で降ろされた。
でも、そのバス停の前が私が見たいと思っていたようなチューリップ畑になっている。
前日と違って青空が見えないのはちょっと残念だけれど、ここの畑のチューリップ畑はまだ刈り取られることもなく、満開を保っている。
畑の区画ごとに黄色や赤など色分けもされている。
[こんな景色が目の前に広がったら嬉しくなります]
バスから降りたのは私だけではなく、バスの乗客の多くがこのバス停で降りてキューケンホフへ向かって歩きはじめる。
そして、私と同じように目の前に現れたチューリップ畑を写真に収めている。
私もキューケンホフ公園の方角へ向かって歩くけれど、入り口には向かわず通過する。
入り口前は広い駐車場になっており、ひっきりなしに車が吸い込まれていくし、大型バスもたくさん並んで止まっている。
[赤、白、黄色と思わずチューリップの歌が口に出てきます]
キューケンホフ公園を取り巻くように走っている道路に従って歩くと、キューケンホフ城とかLAM美術館が見えてきた。
これも素通りするが、この辺りは日本で言うところの雑木林のような木々が茂っているところで、林間に歩道もあり、歩いてみたかったけれど、ちょっと霧雨のような天気になってしまった。
歩道も土の道で、そこに穴の開いている靴では踏み込むのを思いとどまる以外選択肢がなかった。
ビニールのレインコートを着込み、傘をさして歩く。
四角い敷地のキューケンホフ公園の周囲のうち3辺を歩き、そのまま公園から離れて北東に伸びる道を歩く。
この道沿いもチューリップ畑やヒヤシンス畑が続いている。
まったくカラフル。
曇り空が恨めしいが、それでも十分に美しい。
アジア系のグループが写真を撮り合っている。
中国人でもタイ人でもなさそうで、しゃべっている言葉のイントネーションはフィリピンやインドネシアの方の発音に似ている。
[またまたこのハロウィンのネコを連れてきました]
道の左手数百メートルほどのところに電車の線路があるようで、だいたい30分おきくらいに電車が通過していく。
ちょっと望遠を効かせてヒヤシンス畑の中を走る2階建て電車の写真を撮る。
折よく、左手と右手双方から電車がクロスするところの写真を撮れた。
[ヒヤシンスの向こう側、2階建て電車がすれ違っていく]
そのうちに霧雨はも止んだ。
このあたりの畑もチューリップやヒヤシンスの球根を採るための畑なんだろうけれど、観光施設としての花畑はキューケンホフ公園以外にもあった。
道沿いに現れたのはチューリップバーンという施設で、やはり入場料を取るが、柵で覆われた花畑は、道からでも丸見えになっている。
チューリップ畑の中にオブジェが配置されて、写真スポットを演出している。
入場料などはなから払う気がないので、入場料がいくらなのか確認していないけれど、園内にはたくさんの観光客が入っているのも見えた。
[タイの人たちが喜びそうなスポット]
チューリップ、ヒヤシンス以外にスイセンの畑もあった。
そのスイセン畑の向こう側に教会の尖塔が見え、集落になっているらしい。
もう十分にチューリップを見たし、そろそろどこかへ移動しようかと考えていたので、集落へ行けばバス乗り場があるのではないかと思った。
[ここで作られた球根が世界中で花を咲かせるんだろう]
小さな集落かと思ったけれどなかなか大きな村で、名前をヒルレーゴムと言うらしい。
教会もあればスーパーマーケットもある。
[通り沿いの家の窓辺でネコが寝てる]
今回はDEKAというスーパーばかりで、前回愛用したJumboというスーパーを見てこなかったが、この村にはJumboスーパーがあったので、さっそく4つで1ユーロのパンが無いかと店内へ入ってみる。
しかし、残念なことにここのJumboにもく4つで1ユーロのパンは売られていなかった。
オランダも物価の上昇が激しいので、こんなプロモーションなどなくなってしまったのかもしれない。
Jumboでパンは買えなかったけれど、まだカバンの中には食べきれていないパンやチーズがあるし、朝食会場から持ってきた果物も入っている。
時刻は1時近くになり、そろそろ昼食にしたいが、この村には適当に腰かけて休めるようなベンチがほとんどない。
教会横の庭にベンチがあるにはあったけれど、さっきの霧雨に濡れている。
さりとて、食堂に入る気もしない。
マクドナルドのハンバーガーはあったけれど、ハンバーガーなんか食べたくない。
雨に濡れる心配もなく、ベンチでパンを食べられるところがどこかと考えて、結論としてはスキポール空港が良いのではないかと言う結論に達した。
マクドナルドの前にあったバス停から空港行バスに乗る。
霧雨にけぶった田園風景の中をバスに揺られる。
こうして毎日オランダのバスに乗っていて気が付いたことは、ほとんど信号待ちに合うことがないということ。
どうやらバスが交差点に近づくと自動的に青信号になるようなシステムがオランダにはあるらしい。
これはバス利用者にとってとても便利だと思うし、バスの運行も時間に正確になる。
空港内のベンチでちょっと遅くなったランチを食べる。
ほんとうはチューリップ畑でピクニック風に食べたかった。
毎食おんなじモノ、3日目なのでそろそろ温かいものをテーブルで食べたくもなってくる。
ランチさえ食べてしまえば空港に用はなく、そのまま電車に乗ってアムステルダムへ行くことにした。
前回もアムステルダムの街は素通りしたままだった。
アムステルダム・スローテルデイクという駅で電車から降りる。
アムステルダム中央駅はもう一つ先なのでけれど、マップを見るとこの駅前から市電が出ていて、この市電に乗ればアムステルダムの旧市街を半円形に幾重にも取り囲んでいる運河沿の一番外側の道を走るらしい。
なので、これに乗ってアムステル川のあたりで降りて、そこから旧市街を散策してみることにした。
アムステルダムを走る市電は短い車体が何両も連なっていて、カーブなどをクネクネと走る姿はなんとなく白くて大きな芋虫のような印象を受ける。
[アムステルダム市内には市バスはなく市電だけみたい]
フレーデリック公園と言う電停で降りて散策開始。
アムステル川にかかる跳ね橋を徒歩で渡る。
橋から見る景色は、鉛色の空の下、ちょっと薄暗くて、なんとなく晩秋を思わせる。
川岸には船がたくさん係留されており、荷物を運んだりする船もあるようだけれど、船を住居にしている人も多いみたいだ。
電気や水道などは岸から船に引きこんでいるようだけれど、下水の処理なんかはどうなっているのだろうか?
[アムステル川]
次にアムステル川を背骨としたら、あばら骨に相当する横に伸びる運河沿いを歩いてみる。
こちらには、船と言うより、完全に水上住宅のような家が立ち並んでいる。
ピサヌロークのナーン川沿いにも筏の家が並んでいるけれど、ピサヌロークの水上住宅の排水は、未処理のまま川へ流されている。
この街の至る所で目に付くのは、放置自転車。
それらの自転車はやたらとゴツイ鎖で運河沿いの手すりやポールに結ばれている。
こんなに自転車が氾濫して、放置自転車風に見えるけれど、日本とは事情が違うのかもしれない。
[なんか絵の構図になりそう]
あばら骨運河をいつくか越えながら、だんだんと中心部の方へ進んでいくと、レンブラント公園と言うのがあった。
レンブラントの銅像が立っているのだけれど、木にピンク色の花が咲いているのが目についた。
よく見たら八重桜。
オランダでもサクラは咲くんですね。
[サクラの向こうにレンブラント]
このあたりから観光客の密度がどんどんと濃くなってくる。
アムステルダムは美術館の多い街で、そうした美術館巡りをする人も多いはず。
私は美術館や博物館にそれほど興味を持っていないし、入場料も節約したいというタイプなのでどこにも入らない。
どこにも入らないけど、道に面した窓から覗いた美術館は一軒だけある。
"KattenKabinet"というネコに関する美術館。
窓から覗くと、壁にたくさんのポスター風のものが張り出してある。
記念品みたいなものや絵葉書なんかも売られているようだ。
世界中にはネコ好きが多いだろうし、ネコ好きは犬好きと比べてキ印付きのネコ好きが多いだろうから、こうした施設はお客さんを集めやすいのだろう。
私もキ印側だけれど、窓から覗き込んだ限りでは、是非中に入って見学してみたいという雰囲気ではなかったが、それでも見学者は結構入っているようだった。
[ネコ美術館のぞき見]
運河沿いに花市場と言うのもあった。
切り花も売られているけれど球根が目立った。
観光客で雑踏していて、なんとなくアメ横か仲見世のような雰囲気。
人の流れに身を任せて、運河沿いに並ぶ市場の前を歩いていたら、タイ語が聞こえてきた。
少人数のグループをガイドが引率して歩いているらしい。
韓国語や中国語はひっきりなしに聞こえて来るけれど、日本語は全然聞こえない。
[オランダは花なんですね]
アンネフランクの家の前にも行ってみる。
入場するつもりはないけれど、家の前には行列ができている。
ここの見学は事前にネット予約となっていたけれど、それでも行列を作って入場を待つ人が多いらしい。
この家のある運河沿いから少し回りこんだところにアンネフランクの銅像が立っていた。
痩せて髪の長いワンピースを着た少女の像だったけれど、なんとも寂しそうに見える。
日本だったら花が飾られたりしていそうだけれど、周囲には何もなくポツンと立っている。
写真を撮ったり、立ち止まったりする人も少ない。
寂しそうだし、寒そうなので、マフラーでも巻いてあげたくなる。
[アンネフランクの銅像]
だいぶ中心部まで歩いてきて、ダム広場へ入った。
王宮や新教会があるアムステルダムの中心。
広場では中国語で話しかけられ、パンフレットを渡された。
パンフレットには「法輪功」と書かれている。
「日本人だよ」と言ったらば、英語のパンフレットも渡された。
ダム広場に面してバンコクにもあるけれど蝋人形で有名なマダムタッソー蝋人形館があった。
当然ながら蝋人形館には入らないし、王宮も見学しない。
広場をぐるりと歩くだけ。
[広場とかにはハトが集まりやすいみたい]
そのまま繁華街のようなところを歩いたり周辺の路地に入ったりする。
飲食店も多くてタイ・レストランなんかも目立った。
パッタイが25ユーロとかになって表看板に書き出されているのには驚いた。
1000バーツ近い金額。
中華料理の店やピザの店なんかも多くて、多国籍な食堂街と言う気がした。
まいどまいどパンとチーズばかりを口にしているけど、「オランダ料理」と銘打ったレストランは見かけなかった。
オランダ料理って、いったいどんなものがあるのか、食べてきていないのでちょっと本当がつかない。
鎖国の江戸時代にもオランダとは交易があったので、なんか料理が伝わっていてもおかしくないと思うのだけれど、思い当たらない。
5時半過ぎにアムステルダム中央駅へ到着。
これでオランダ観光は終了で、あとはハーレムのホステルへ戻るだけ。
ハーレム行きの電車を調べてみると、どうした訳か直通電車はなく、今回のアムステルダム巡りの振出し起点であったアムステルダム・スローテルデイク駅で乗り換えとなっている。
とりあえず、乗り換えでもなんでもいいやと空港方面行きの電車に飛び乗り、アムステルダム・スローテルデイクで下車。
しかし、アムステルダム・スローテルデイク駅の発着電車案内モニターを見てもハーレム行きの電車が表示されていない。
乗り場もどこだかわからないので駅員さんに尋ねてみた。
すると、「向こうに見える白いバスに乗れ」と案内される。
よく意味が分からず、駅前の大きな通りを渡って白いバスの方へ進んでみたらとんでもなく長い行列ができたいた。
どうやらハーレムへの電車は補修工事の関係で運休しており、代行バスが走っているらしい。
そのバスの利用者がずらりと並んで順番を待っているということらしい。
行列は長かったけれど、大型バスが次々にやって来てピストン輸送をしているので、それほど長く待たされることはなかった。
[代行バス]
バスの振り替え輸送などがあったりして、宿へ戻ったら7時半を過ぎていた。
ホステルのレセプションに「明日の朝は7時に出発するよ」と伝えたら、「朝食は7時半からだよ、でもなんか食べ物をパックしてあげようか」と申し出を受ける。
喜んで申し出を受け、ちょっと待っていたら大きな紙袋にパンやチーズ、リンゴやクラッカーのようなものを詰めて持ってきてくれた。
また部屋でシャワーを浴びて、冷えた体を温めてから裏の公園のベンチへ向かう。
公園の入り口でカモの親子に出会う。
[水辺が多いからカモや白鳥も多い]
最後の夕食はさっきもらった紙袋に詰めてもらった朝食用の食材。
つまり、いつもとおんなじパンとチーズ。
それとスーパーで買った格安の紙パック入り赤ワインも飲む。
このワインがやたらと軽いワインで、パックにはEUで生産された赤ワインだけをブレンドしたものだとは書いてあるが、アルコール度数の表示がされていない。
時刻は8時半を回っているけれど、まだまだ十分明るい。
[ちょっと遅めの夕食]
これでオランダでの3日間はお終い。
またドミトリーの部屋へ戻って早々に寝てしまう。
4月17日 (月)
とうとう帰る日。
[ホステル前からバスに乗る]
朝7時にホステルを出てハーレムを経由して空港へ向かう。
もうフリーパスは使えないのでクレジットカードを使ってバスに乗車する。
カードがスマートパスのように使えるのだから便利だ。
特に外国人旅行者にとって交通系スマートパスは決して便利じゃない。
その点でもオランダの公共交通機関は進んでいると思う。
※しかし、翌日クレジットカードのアプリから支出額をチェックしたところ、本来の運賃の約倍額が請求されていることが発覚。
スキポール空港には8時に到着し、チェックインもスムースだった。
出国審査も自動化されて、前回のように長く待たずに済んだ。
でも、空港内は大混雑。
物凄くたくさんの人がいる。
KLMのラウンジへ入れてもらったけれど、ここも座るところがないくらい人がいっぱいいる。
なんとか空席を見つけて、ハイネッケンビールをタップからグラスに注いで飲ませてもらう。
前回来た時はじめて生ビールをタップから注いだのだけれど、恐る恐るコックを引いたので、泡だらけになった苦い経験があったので、今回は思い切りよくコックを引いて、コックを戻した。
前回よりは上達したけれど、それでもグラスの半分は泡が占めていた。
[少しは上達]
スペインの発泡酒カヴァもいただいた。
これ辛口で好きなんです。
[スペインの発泡葡萄酒]
食べるものは大した品ぞろえがなく、やっぱりパンとチーズとハム程度。
サラダもない。
果物はリンゴとバナナ。
帰りの飛行機もほぼ満席だった。
特に後方のキャビンはほとんど空席のないくらいぎっちり。
台湾の人と欧米人がほぼ半々くらい。
[後方キャビン]
ところが運よく私の座った3人掛けシートは私だけで、もともと私は通路側だったけれど、窓側まで席を占有できた。
これだとゴロ寝をしながら乗って行けるので、とっても快適だった。
他にも何席か私のようにラッキーな人がいたが、ちょっと他の人たちに悪いかなと言った気にもなった。
[エコノミーのフルフラットシート]
今回の旅行で土産として持ち帰ったのは黒ネコがラベルに描かれているワイン。
これもスーパーで買ったものだけれど、チリワインだった。
[私もやっぱりキ印だ]