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金子光春を追って(前編)
6月22日(木)から五日間の旅行に出る。
夕方の中華航空に乗って台北へ飛び、そこからアムステルダム行きに乗り継ぐ。
4月の旅行の時はオランダだけ、しかもハーレムに3泊滞在するのんびりとしたものだったけれど、今回はアムステルダムからベルギー、フランスと回る駆け足旅行。
それぞれの移動区間のバスもすでに手配済みなので、どこかでスケジュールが崩れると身動きが付かなくなってしまう懸念がある。
その試練第一歩が初日の台北での乗り継ぎ。
乗り継ぎ時間が1時間しかない。
飛行機が遅れるのはしょっちゅうなので、ここで乗り継ぎに失敗したらどうにもならない。
数日前から飛行機のフライト状況を確認すると、だいたい15分くらいの遅延で台北へ到着しているが、1時間近く遅れている日もあった。

そんな懸念を抱きながらも台北には15分ほどの遅延で到着し、無事に乗り継ぎに成功。
しかも、ラウンジにも立ち寄って缶ビールをいただく余裕まであった。
コロナからずっとラウンジに置かれたビールは台湾ビールだけだったけれど、今回覗いてみたらサッポロビールも置かれていた。
ここも少しずつサービスがコロナ前に近付いてきている気がする。

台北からアムステルダムまでは14時間のフライト。
機内はほぼ満席。
私の隣は運よく空席になっている。
機内では機内食を食べて、狭いシートでうつらうつらして過ごす。
今回の旅行に出る前の数日間も忙しく飛び回っており、睡眠不足になっていたから機内ではぐっすり眠れるだろうと思っていたけれど、どうもうまく眠りに入れない。
機内は照明が消されて暗いのだけれど、半分くらいの人は起きて映画を見ているらしく、シートのスクリーンが青白い光を放っている。

6月23日(金)
アムステルダムにはほぼ定刻の7時過ぎに到着。
入国審査も簡単に終わり、荷物を受け取り税関前にあるトイレへ入る。
トイレへ入った時、手洗い場に女性がいたので、最初入り口を間違えたかと思った。
が、入り口を間違えたわけではない。
次に女性用が混んでいるから男性用に回ってきた人かと考えたけれど、よく観察してみたらここのトイレ、入り口は男性と女性が分かれているが、中に入ると男女一緒になっている。
日本でもタイでもまだこのような仕組みのトイレは見たことがない。

スキポール到着
[台北での乗継含めて20時間かかって到着]

さて、次の目的地はベルギーのブリュッセルなのだけれど、ここスキポール空港からなら電車で直接ブリュッセルへ行けるようになっている。
オランダは電車が発達していてとても便利。
しかし、ヨーロッパの交通機関は運賃が高い。
ブリュッセルまで早割りで25ユーロと言う金額。
タイから来た身には、ちょっと高く感じたので、もう少し安くいく方法はないかと調べたらBlaBlaバスという会員制のようなバスが走っていて、これがやたらと安い。
スキポール空港からブリュッセルまで11ユーロほどの金額。
所要時間は電車よりかかるけれど、値段が安いので09:48発のバスを予約しておいた。
バスの出発時刻まで時間があったけれど、空港内のベンチに座って、ブリュッセルに着いた後の行動予定などについてスマホを使って計画を立ててみる。

今回の旅行の目的は、金子光春の足跡をたどってみようというもので、以前にもマレーシアのバトパハを訪ねている。
画家であり、詩人である金子光春は、マレー蘭印紀行、眠れパリ、西ひがしの3冊の旅行記の傑作を残しており、90年の時を隔てても、色あせない情景を再現してくれている。
しかし、90年の間に、世界中いたるところが変わってしまい、当時と今とでは全く違っているところの方が多い。
バトパハでは、金子が滞在していた日本人倶楽部の建物は健在で、すでに倶楽部ではなくなっているが、ここの一室の藁布団で金子は寝泊まりしていたのかと思うと、タイムスリップしたような気になれた。
今回、この3冊の旅行記に加えて、「マレーの感傷」という作品集を読んでみた。
その中には、ブリュッセルやパリで過ごした住所番地まで記されていた。
それを頼りにして、ブリュッセルとパリを訪ねてみたかった。

スキポール空港からのBlaBlaバス、チケットにバス乗り場は「スキポール空港」と書かれているだけで、何番のバス乗り場とかの表示がない。
ターミナルを出たところでタクシーの客引きをしている男性に確認したら、タクシー乗り場の隣で待っていれば来るよと教えてくれた。
バスの出発1時間前には、バスの座席番号を知らせるメールも届いた。
座席は6Aだそうだ。

バスは少し早めにやって来た。
車内は空席が目立つ。
空港を出て、牧場の中を走るハイウェイを快調に走る。
ホルスタイン種の白と黒の牛が緑の中に群れている。
集落には教会の尖塔が見える。
風車小屋を見るとオランダに来ていると言った実感がわいてくる。

空席が目立つ
[車内は空席が目立つ、乗り心地も悪くない]

30分ほど走ってユトレヒトに到着。
ここで数名乗車してくるけど、まだまだ車内は空席が目立つ。
さらに30分ほど走って国境を越えてオランダからベルギーに入った。
国境には高速道路沿いにここからベルギーみたいな看板が一つ立っているだけで、国境となるような川だとか、山の尾根なんてものはなにもない。
もともといったいどのようにして国境を定めたものなのだろうか。

ユトレヒトのバス停
[ユトレヒトのバス停]

国境を越えてすぐガソリンスタンドに立ち寄る。
スタンドにはスーパーが併設されていたので、バスから降りて覗いてみる。
コンビニのようなスーパーで、奥の方に惣菜が売られている。
コロッケのような揚げ物が売られているが、値段が高い。
ひとつ3ユーロ前後になっている。
このところユーロが値上がりしていて、1ユーロが38バーツくらいになっているから、3ユーロだと120バーツ近い金額。
日本円でも500円くらいだろうか。
ベルギーはオランダよりも物価が高いのかもしれない。
それにしても、500円のコロッケとは驚いた。
むかし、日本が世界で一番物価が高いと思っていた。
アメリカでもヨーロッパでも、物価が高いとはあんまり感じなかったけれど、どうやら世の中変ったようだ。
東南アジアの発展途上国に20年も沈没していたので、浦島太郎になってしまった。

コロッケが3ユーロ
[無駄遣いはしません]

バスはアントワープでたくさんのお客を載せて、ほぼ満席となった。
このバスの最終目的地はパリということしい。
みんなパリへ行くのだろう。
アントワープは金子光春の妻、森美千代が金子と別れて船賄事務所で働いていた場所。
大きな港町で、大型船の入れる運河があるけれど、バスの車窓から見る限りでは、港町と言った印象は受けない。

アントワープ
[バスの窓から見たアントワープ]

ハイウェイを走る車はほとんどが欧州製で、ベンツやシトロエン、ワーゲンなど。
日本車の占める割合は1割くらいではないかと思われるくらいの少数派になっている。
それもコンパクトカーばかり。
ここでも世界の中から日本の影が薄くなっているのを感じる。
そんな欧州車ばかりのハイウェイも所々で渋滞する。
特にブリュッセル近くは交通量も多いようで、もうとっくにブリュッセルに到着している時刻なのにまだハイウェイの上。
1時間遅れてブリュッセルに到着。

今夜の宿は、ユースホステル。
先ほどスキポール駅で計画を練っているときに、ブリュッセルの移動にはバスや市電に乗り放題となるフリーパスが便利でお得であるということを調べた。
24時間使えて8ユーロほどらしい。
とりあえず地下鉄の駅へ行けば買えるだろうと思って、地下鉄駅へ。
駅のキオスクで買えました。
確かに8ユーロ。
「24時間使えますよね」と念押し確認したら、
「ちがう、今日だけだ」と言われる。
うーむ、買うキップを間違えたかな。

1日乗車券
[一日乗車券]

とにかく、地下鉄に乗り込んでユースホステルへ向かう。
バンコクや東京の地下鉄と比べるとぐっと小さな車体で、エアコンがないので窓も開けている。
そのため車内は狭くて騒音も大きい。
イスラム系の女性や黒人、アラブ系の男性など、車内はいろんな人種の人が乗っている。
駅と駅の間隔は短くて、500メートルくらいだろうか?
ドアは半自動で、取っ手を引くとガラガラと開く。

ユースホステルは小さなロータリーに面した建物で、時刻はすでに3時を回っていたのですぐにチェックインさせてくれた。
受付の女性は片言の日本語を話し、香港出身で日本が大好きだと言っていた。
部屋は8人部屋だけれど、私以外はまだ誰もチェックインしていないようなので、窓よりのベッドを確保させてもらう。
宿泊料には朝食も含まれており、また共用のキッチンもある。
夕食には冷凍食品でも買ってきて食べようかと思う。

ユースホステルの建物
[なかなか立派な建物のユースホステル]

金子光春の住んでいたエリアはユースホステルから北に1キロほどの場所。
歩いても行けるところだけれど、せっかくフリーパスがあるので、ちょっと遠いところへ行ってみようと思った。
金子光春がブリュッセル滞在中に、いろいろと面倒を見てくれていたベルギーの東洋趣味コレクターのルパージュ氏が空港に近いディーガムというところに住んでいて、金子はそこへ頻繁に通っていたらしい。
そのディーガムのルパージュ氏の住所も「風車小路の7番地」と書かれており、だいたいの場所も見当をつけ、宿近くからバスが出ていることも判明した。
さっそく、そこから行ってみようとバスに乗り込む。
パスを読み取り機にかざしたけれど、ピピーという信号音がならない。
変だなと思ったけれどドライバーはイイから乗り込めという仕草を見せる。
が、どうも乗ったバスは目的地とは反対方向へ向かうバスだったことが判明する。
次のバス停ですぐに降りて、バスを乗り換えることにする。
フリーパスなので、こうして乗り間違えしても問題ないから良かった思う。
が、乗り換えようとしたバスの読み取り機もピピーっという信号音がならない。
そして、こんどのドライバーは「イイから乗れよ」という仕草をしない。
"Can you speak English?"と聞いてくる。
自信はないけど、イエスと答えたらば、
「そのパスではこのバスに乗れない、別の会社のバス用だ」と教えられた。

どうやらブリュッセルには2つかそれ以上のバス会社があるらしく、このフリーパスは共通で使えるものではないらしい。
しかも、ディーガム方向へ行くバスはいずれも別会社のバスらしい。
それでは仕方がない、別の場所へ行くとするか。

ブリュッセルの街
[バス会社がいくつもあることまで確認していなかった]

「マレーの感傷」の中には金子が歩き回った土地の名前がたくさん出てくる。
ワーテルローやビールセルなどを金子は森美千代と歩いている。
そんななかにテルビウルンと言うのがあった。
大きな森の公園らしく、白領コンゴー殖民博物館があるとなっている。
ブリュッセルの街の南東側にあるのだけれど、そこまでなら地下鉄と市電を乗り継いで行けそう。

モンゴメリと言うところから乗った市電が良かった。
2両編成でちょっと旧型の市電は、最初乗り場を探すのにウロウロとしたけれど、乗り込んでしまうと市電とはいっても東京の荒川線のようにほとんどが専用軌道を走り、その軌道は両側から包み込んでくるような緑の茂みに覆われいる。
この緑のトンネルの中を進む雰囲気がメルヘンチックで、ディーガムへは行けなかったけれど、なかなか雰囲気の良いところへやってくることができたと思った。

テルビウルンへの市電
[緑の中を走っているのは爽快]

終点がテルビウルンの公園前になっており、そのまま公園へ入っていくと、堂々たる建物があり、アフリカ博物館となっている。
これが元の白領コンゴー殖民博物館で、金子もこの明るい森の中の道を歩いたのだろう。
大きな長方形をした池があり、そり回りは手入れの良い芝になり、そして森となっている。
金子は日本の森と西洋の森は違ってて、日本の森はジメジメしているが、西洋の森は明るいと言ったようなことを書いていたけれど、この公園の中の森は深いけれど、確かに明るい森であった。
長方形の池や芝など、幾何学的に設計された公園で、美しいけれど、その美しさは人間によって作られ、管理されている美しさで、日本のような自然そのものの美しさとは別物だとわかる。
多くの画家がここで絵を描いたということだけれど、日本と西洋では描く絵でも被写体への向き合い方が違っているのではないだろうか。

アフリカ博物館
[広々として壮大な博物館]

ふたたび、緑の中を市電に揺られてモンゴメリへ戻る。
調べてみるとモンゴメリからブリュッセル市の外周を走って、ディーガムの近くまで行くバス路線があることを発見した。
私が買ったフリーパスはブリュッセル市の交通局のパスで、ブリュッセルにはブリュッセル市以外の近郊からもバスが乗り入れており、そうしたバスは交通局のバスではないから乗れないということらしい。
モンゴメリからディーガム近くへ行くバスは、ブリュッセル市から外へ出ないようだ。

目論見は当たって、ディーガムまで1キロほどのアーレンという町までバスで行くことができた。
近郊住宅街と言った感じのところで、ちょっと歩くと麦畑になっている。
そこから歩いて風車小路へ向かう。
大きな幹線道路を越えてすぐのところに風車小路と金子が呼んでいた"Watermolenstraat"はあった。
大型のトラックが行きかう幹線道路と違って、昔ながらの曲がりくねった小道で、道の両側にレンガ造りの住宅が並んでいる。
7番地もすぐに見つかった。

風車小路
[風車小路の入り口]

通りの左側が奇数番地で、右側が偶数番地。
なので通りに入って4件目がもう旧ルパージュ氏の邸宅ということになる。
ルパージュ氏は代々区長の名誉職にあり、本人も実業家で手広くビジネスをしていたようなのだけれど、実際風車小路7番地に建っている建物は邸宅と言うイメージからは遠く、庶民階級の住宅と言った印象を受ける。

旧ルバージュ邸
[旧ルバージュ邸と思われる]

たぶん、建物自体90年前と同じではないかと思われる古い作りで、ここにルパージュ氏が住んでいて、金子はここを頻繁に訪ねていたのに間違いはないだろう。
いまもここにはルパージュ氏の縁続きの人が住んでいるのかどうかはわからない。
日本の住宅と違って、表札などは出ていない。
どんな人が住んでいるのかはわからないが、子供用の自転車が庭にあったので、きっと子供のいる家庭なんだろうと思われた。

旧ルバージュ邸
[いまはどんな人が住んでいるのだろうか]

これでディーガムも確認できたし、あとはブリュッセル市内の金子の旧居3か所を探すだけ。
これも本に書かれており、
Rue De L'Hoecht の113番、八百屋の2階
Rue De La Poste 183番地、牛乳屋の3階
Rue Ver Bochkaven 23番地 洗濯屋の4階

居所番地
[金子光春の居所番地が書かれている]

最初の家は、八百屋の2階ということになっていたけれど、現在は八百屋ではなく肉屋になっているようで、"Foungee 1978 Boucherie Abdel"と書かれている。
路地と路地の交差する角に立っており、西側へ続く路地は下り坂でブリュッセル北駅へ向かっている。
金子はここは広い部屋と書いていたけれど、外から見ただけでも一面に窓が3つもあり確かに広そうだ。
現在のこの店の名前からも推測できるように、このあたりはトルコ人がいになっていた。
時刻は7時過ぎで、通りにはトルコ料理の店がテーブルを並べていた。

Rue De L'Hoecht の113番、八百屋の2階
[現在は八百屋ではなく肉屋になっているようだ]

そこから少し北に歩いたところ、サンマリ教会の裏側の路地が、リュウデラポスト(郵便局通り)で、183番地はクリーム色の壁に深緑の扉と言ったこじゃれた3階建て。
このあたりは住宅街なのか。商売をしている建物ではない。
所番地は間違えないけれど、瀟洒な建物は牛乳屋だった面影はない。
既に建て替えられたものなのだろうか?

Rue De La Poste 183番地、牛乳屋の3階
[牛乳屋には見えない]

3軒目は、少し離れていて、郵便局通りの建物と比べると一格落ちるようなレンガ建ての住宅で、当時は洗濯屋だったのかもしれないけれど、現在は商売をしているようには見えない。
そして、金子が住んでいたのは4階となっているけれど、このあたりの家並はどこも3階建てで4階のあるものは見かけない。
金子が言っている4階と言うのは屋根裏部屋のことなのだろうか。
通りかを見上げても、屋根裏部屋にあるはずの出窓は見えなかった。

Rue Ver Bochkaven 23番地 洗濯屋の4階
[3軒の中で一番小さい建物]

ここまで回って、いったんユースホステルの部屋に戻った。
時刻は8時半を回っている。
部屋にはもう若者たち数人が入っていた。
私はシャワーを浴びて、夕食材料を買いにスーパーを探そうとGoogleMapで調べてみるのだけれど、この周辺には大型スーパーはなく、どこもコンビニに毛の生えた程度の店しか表示されなかった。
しかも、コンビニ並みなのにどこも夜8時閉店で、すでに店が閉まっている。
サマータイムでしかも緯度の高いところなものだから、夜9時になっても外は明るい。
どうも時間の感覚がずれてしまっている。
しかたなく、機内食などで食べ残したパンなどを持って外へ出る。

ブリュッセルの下町のようなところを歩く。
ブッシェ通りと言う路地を進んでいくと料理屋が連なっている。
どこも繁盛していて、店の外にまでテーブルを並べている。
デリリウムというピンク色のゾウのマークがあるビール屋の奥に「小便少女」がいた。
小便小僧のパロディーということらしい。
有名なベルギービールの店ということで、店の中も外もお客でいっぱい。

小便少女の路地
[この奥に小便少女像がある]

そこから少し歩いたところで、ネコを一匹発見。
ベルギーで見かけた最初のネコ。
このネコがやたらとジャンボ。
毛が長くて大きく見えるということもあるけど、普通のネコの3倍くらいのサイズ。
カバンに忍ばせておいたキャットフードを取り出して与えた大喜びで食べて、あとはスリスリ。

ベルギーのネコ
[ネコはどこでも人気者]

夜10時、グランプラスに到着。
旧ギルドの壮麗な建物に囲まれた世界一豪華な広場と言われる場所だそうで、この広場の石畳の上に寝転んで取り囲む建物を見上げるとよいというので、早速やってみる。
この広場で機内食の残りのパンや飲茶とともにビールを飲んで、ちょっといい気分になる。
貧しい食事だけれど、目に映るのは豪華な建物。

グランプラス
[エビシュウマイ]

それにビールも飲茶も美味しい。
ヨーロッパに来て思うのは、ここで飲むビールは冷えてなくても美味しく感じられること。
日本やタイだと冷えてないビールなど飲めたものではないけれど、ヨーロッパなら美味しく感じる。
湿度など気候と関係しているのだろうか。

グランプラス
[ベルギーで台湾ビール?]

この時間になってやっと少し薄暗くなってきて、建物に明かりがともり始めているけれど、まだまだ明るい。
夜空の下で見上げた方が、より感動的なんだろうけど、もう時間的には夜も遅い。
ユースホテスルの門限も気になる。
しかし、小便小僧の像にも挨拶しなくては。

小便小僧
[世界三大ガッカリの一つらしいけど]

グランプラスからバスや地下鉄を乗り継いでユースホステルに帰る。
時刻は11時を回っており、地下鉄から外に出たらばさすがに暗くなっていた。
ユースホステルのルームメイトたちもすでに明かりを消して眠っているらしい。

白夜かな
[夜11時でもまだ少し明るい]


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ソンクラーン休暇にオランダ旅行(後編)
4月16日(日)
オランダでの3日目。
実質的に今日がオランダでの滞在最終日。
これまでの2日間は天気に恵まれてたのだけれど、今日はあいにくのどんよりと曇っている。

曇り空
[曇り空]

さて、既にこのブログにも書いたのだけれど、今回の旅行記事をブログに書いておこうと思ったら、「メインテナンス中」と表示されるトラブルに見舞われた。
朝早く目を覚ましてベッドから抜け出して一人ホステルのレセプション前でラップトップパソコンと睨めっこするが、どうにも埒が明かない。

この日も朝食をしっかり食べることができた。
しかし、学生たちのグループでも泊っているのか朝食会場は学生風でほぼ満席の盛況だった。

朝食に時間がかかりホステルを出たのは朝9時になってから。
雨は降っていないが、いつ降り出してもおかしくないような空模様。
一応折り畳み式の小さな傘やビニールのレインコートはカバンに入れてある。
雨が降られて一番困るのは靴。
いつもながら靴底がすり減って穴が空いている。
今の靴はまだ買って2ヶ月くらいしか履いていないはずなんだけど、もう穴が空いてきている。
以前は半年くらい履き続けられたはずなのに、靴の素材が悪くなっているのかもしれない。
新しい靴に買い替えるのも納得いかないので、エポキシ系の接着剤で追加のゴム底を貼り付け簡易修理をしてきた。
しかし、そのゴム底も既にすり減ってしまっている。
今回の旅行中も連日随分と歩き回っている。
すり減って当然かもしれない。

本日は本格的にチューリップを眺めたいと思っている。
オランダでチューリップを見るとしたらばキューケンホフ公園が有名。
ここも昔ツアーで行ったことがある。
とんでもなく広いチューリップのテーマパークのようなところだった。
この季節、オランダに旅行する人の多くがキューケンホフを目的地にしているのではないかと思う。
しかし、今回の私はキューケンホフ公園に行くつもりはない。
だいたい、入園料が高い。
テーマパークそのものに関心もない。
ただチューリップが見たいだけ。

それでもキューケンホフの周辺にはチューリップの栽培農家が多いらしいという情報から、キューケンホフ方向へ向かうバスに乗ることにした。
バスはハーレム駅前から乗れるので便利。
でもハーレムからのバスはキューケンホフ公園の正面には乗り入れてなく、1キロほど手前で降ろされた。
でも、そのバス停の前が私が見たいと思っていたようなチューリップ畑になっている。
前日と違って青空が見えないのはちょっと残念だけれど、ここの畑のチューリップ畑はまだ刈り取られることもなく、満開を保っている。
畑の区画ごとに黄色や赤など色分けもされている。

本格的チューリップ畑
[こんな景色が目の前に広がったら嬉しくなります]

バスから降りたのは私だけではなく、バスの乗客の多くがこのバス停で降りてキューケンホフへ向かって歩きはじめる。
そして、私と同じように目の前に現れたチューリップ畑を写真に収めている。
私もキューケンホフ公園の方角へ向かって歩くけれど、入り口には向かわず通過する。
入り口前は広い駐車場になっており、ひっきりなしに車が吸い込まれていくし、大型バスもたくさん並んで止まっている。

咲いた咲いた
[赤、白、黄色と思わずチューリップの歌が口に出てきます]

キューケンホフ公園を取り巻くように走っている道路に従って歩くと、キューケンホフ城とかLAM美術館が見えてきた。
これも素通りするが、この辺りは日本で言うところの雑木林のような木々が茂っているところで、林間に歩道もあり、歩いてみたかったけれど、ちょっと霧雨のような天気になってしまった。
歩道も土の道で、そこに穴の開いている靴では踏み込むのを思いとどまる以外選択肢がなかった。
ビニールのレインコートを着込み、傘をさして歩く。

四角い敷地のキューケンホフ公園の周囲のうち3辺を歩き、そのまま公園から離れて北東に伸びる道を歩く。
この道沿いもチューリップ畑やヒヤシンス畑が続いている。
まったくカラフル。
曇り空が恨めしいが、それでも十分に美しい。
アジア系のグループが写真を撮り合っている。
中国人でもタイ人でもなさそうで、しゃべっている言葉のイントネーションはフィリピンやインドネシアの方の発音に似ている。

ハロウィンのネコ
[またまたこのハロウィンのネコを連れてきました]

道の左手数百メートルほどのところに電車の線路があるようで、だいたい30分おきくらいに電車が通過していく。
ちょっと望遠を効かせてヒヤシンス畑の中を走る2階建て電車の写真を撮る。
折よく、左手と右手双方から電車がクロスするところの写真を撮れた。

スイセン畑と電車
[ヒヤシンスの向こう側、2階建て電車がすれ違っていく]

そのうちに霧雨はも止んだ。
このあたりの畑もチューリップやヒヤシンスの球根を採るための畑なんだろうけれど、観光施設としての花畑はキューケンホフ公園以外にもあった。
道沿いに現れたのはチューリップバーンという施設で、やはり入場料を取るが、柵で覆われた花畑は、道からでも丸見えになっている。
チューリップ畑の中にオブジェが配置されて、写真スポットを演出している。
入場料などはなから払う気がないので、入場料がいくらなのか確認していないけれど、園内にはたくさんの観光客が入っているのも見えた。

チューリップバーン
[タイの人たちが喜びそうなスポット]

チューリップ、ヒヤシンス以外にスイセンの畑もあった。
そのスイセン畑の向こう側に教会の尖塔が見え、集落になっているらしい。
もう十分にチューリップを見たし、そろそろどこかへ移動しようかと考えていたので、集落へ行けばバス乗り場があるのではないかと思った。

スイセン畑
[ここで作られた球根が世界中で花を咲かせるんだろう]

小さな集落かと思ったけれどなかなか大きな村で、名前をヒルレーゴムと言うらしい。
教会もあればスーパーマーケットもある。

ネコ
[通り沿いの家の窓辺でネコが寝てる]

今回はDEKAというスーパーばかりで、前回愛用したJumboというスーパーを見てこなかったが、この村にはJumboスーパーがあったので、さっそく4つで1ユーロのパンが無いかと店内へ入ってみる。
しかし、残念なことにここのJumboにもく4つで1ユーロのパンは売られていなかった。
オランダも物価の上昇が激しいので、こんなプロモーションなどなくなってしまったのかもしれない。
Jumboでパンは買えなかったけれど、まだカバンの中には食べきれていないパンやチーズがあるし、朝食会場から持ってきた果物も入っている。
時刻は1時近くになり、そろそろ昼食にしたいが、この村には適当に腰かけて休めるようなベンチがほとんどない。
教会横の庭にベンチがあるにはあったけれど、さっきの霧雨に濡れている。
さりとて、食堂に入る気もしない。
マクドナルドのハンバーガーはあったけれど、ハンバーガーなんか食べたくない。

雨に濡れる心配もなく、ベンチでパンを食べられるところがどこかと考えて、結論としてはスキポール空港が良いのではないかと言う結論に達した。
マクドナルドの前にあったバス停から空港行バスに乗る。

霧雨にけぶった田園風景の中をバスに揺られる。
こうして毎日オランダのバスに乗っていて気が付いたことは、ほとんど信号待ちに合うことがないということ。
どうやらバスが交差点に近づくと自動的に青信号になるようなシステムがオランダにはあるらしい。
これはバス利用者にとってとても便利だと思うし、バスの運行も時間に正確になる。

空港内のベンチでちょっと遅くなったランチを食べる。
ほんとうはチューリップ畑でピクニック風に食べたかった。
毎食おんなじモノ、3日目なのでそろそろ温かいものをテーブルで食べたくもなってくる。

ランチさえ食べてしまえば空港に用はなく、そのまま電車に乗ってアムステルダムへ行くことにした。
前回もアムステルダムの街は素通りしたままだった。

アムステルダム・スローテルデイクという駅で電車から降りる。
アムステルダム中央駅はもう一つ先なのでけれど、マップを見るとこの駅前から市電が出ていて、この市電に乗ればアムステルダムの旧市街を半円形に幾重にも取り囲んでいる運河沿の一番外側の道を走るらしい。
なので、これに乗ってアムステル川のあたりで降りて、そこから旧市街を散策してみることにした。

アムステルダムを走る市電は短い車体が何両も連なっていて、カーブなどをクネクネと走る姿はなんとなく白くて大きな芋虫のような印象を受ける。

市電
[アムステルダム市内には市バスはなく市電だけみたい]

フレーデリック公園と言う電停で降りて散策開始。
アムステル川にかかる跳ね橋を徒歩で渡る。
橋から見る景色は、鉛色の空の下、ちょっと薄暗くて、なんとなく晩秋を思わせる。
川岸には船がたくさん係留されており、荷物を運んだりする船もあるようだけれど、船を住居にしている人も多いみたいだ。
電気や水道などは岸から船に引きこんでいるようだけれど、下水の処理なんかはどうなっているのだろうか?

アムステル川
[アムステル川]

次にアムステル川を背骨としたら、あばら骨に相当する横に伸びる運河沿いを歩いてみる。
こちらには、船と言うより、完全に水上住宅のような家が立ち並んでいる。
ピサヌロークのナーン川沿いにも筏の家が並んでいるけれど、ピサヌロークの水上住宅の排水は、未処理のまま川へ流されている。
この街の至る所で目に付くのは、放置自転車。
それらの自転車はやたらとゴツイ鎖で運河沿いの手すりやポールに結ばれている。
こんなに自転車が氾濫して、放置自転車風に見えるけれど、日本とは事情が違うのかもしれない。

街を半円形に囲む運河
[なんか絵の構図になりそう]

あばら骨運河をいつくか越えながら、だんだんと中心部の方へ進んでいくと、レンブラント公園と言うのがあった。
レンブラントの銅像が立っているのだけれど、木にピンク色の花が咲いているのが目についた。
よく見たら八重桜。
オランダでもサクラは咲くんですね。

レンブラント公園
[サクラの向こうにレンブラント]

このあたりから観光客の密度がどんどんと濃くなってくる。
アムステルダムは美術館の多い街で、そうした美術館巡りをする人も多いはず。
私は美術館や博物館にそれほど興味を持っていないし、入場料も節約したいというタイプなのでどこにも入らない。

どこにも入らないけど、道に面した窓から覗いた美術館は一軒だけある。
"KattenKabinet"というネコに関する美術館。
窓から覗くと、壁にたくさんのポスター風のものが張り出してある。
記念品みたいなものや絵葉書なんかも売られているようだ。
世界中にはネコ好きが多いだろうし、ネコ好きは犬好きと比べてキ印付きのネコ好きが多いだろうから、こうした施設はお客さんを集めやすいのだろう。
私もキ印側だけれど、窓から覗き込んだ限りでは、是非中に入って見学してみたいという雰囲気ではなかったが、それでも見学者は結構入っているようだった。

ネコ美術館
[ネコ美術館のぞき見]

運河沿いに花市場と言うのもあった。
切り花も売られているけれど球根が目立った。
観光客で雑踏していて、なんとなくアメ横か仲見世のような雰囲気。
人の流れに身を任せて、運河沿いに並ぶ市場の前を歩いていたら、タイ語が聞こえてきた。
少人数のグループをガイドが引率して歩いているらしい。
韓国語や中国語はひっきりなしに聞こえて来るけれど、日本語は全然聞こえない。

花市場
[オランダは花なんですね]

アンネフランクの家の前にも行ってみる。
入場するつもりはないけれど、家の前には行列ができている。
ここの見学は事前にネット予約となっていたけれど、それでも行列を作って入場を待つ人が多いらしい。
この家のある運河沿いから少し回りこんだところにアンネフランクの銅像が立っていた。
痩せて髪の長いワンピースを着た少女の像だったけれど、なんとも寂しそうに見える。
日本だったら花が飾られたりしていそうだけれど、周囲には何もなくポツンと立っている。
写真を撮ったり、立ち止まったりする人も少ない。
寂しそうだし、寒そうなので、マフラーでも巻いてあげたくなる。

アンネフランクの像
[アンネフランクの銅像]

だいぶ中心部まで歩いてきて、ダム広場へ入った。
王宮や新教会があるアムステルダムの中心。
広場では中国語で話しかけられ、パンフレットを渡された。
パンフレットには「法輪功」と書かれている。
「日本人だよ」と言ったらば、英語のパンフレットも渡された。

ダム広場に面してバンコクにもあるけれど蝋人形で有名なマダムタッソー蝋人形館があった。
当然ながら蝋人形館には入らないし、王宮も見学しない。
広場をぐるりと歩くだけ。

ダム広場
[広場とかにはハトが集まりやすいみたい]

そのまま繁華街のようなところを歩いたり周辺の路地に入ったりする。
飲食店も多くてタイ・レストランなんかも目立った。
パッタイが25ユーロとかになって表看板に書き出されているのには驚いた。
1000バーツ近い金額。
中華料理の店やピザの店なんかも多くて、多国籍な食堂街と言う気がした。
まいどまいどパンとチーズばかりを口にしているけど、「オランダ料理」と銘打ったレストランは見かけなかった。
オランダ料理って、いったいどんなものがあるのか、食べてきていないのでちょっと本当がつかない。
鎖国の江戸時代にもオランダとは交易があったので、なんか料理が伝わっていてもおかしくないと思うのだけれど、思い当たらない。

5時半過ぎにアムステルダム中央駅へ到着。
これでオランダ観光は終了で、あとはハーレムのホステルへ戻るだけ。
ハーレム行きの電車を調べてみると、どうした訳か直通電車はなく、今回のアムステルダム巡りの振出し起点であったアムステルダム・スローテルデイク駅で乗り換えとなっている。
とりあえず、乗り換えでもなんでもいいやと空港方面行きの電車に飛び乗り、アムステルダム・スローテルデイクで下車。
しかし、アムステルダム・スローテルデイク駅の発着電車案内モニターを見てもハーレム行きの電車が表示されていない。
乗り場もどこだかわからないので駅員さんに尋ねてみた。
すると、「向こうに見える白いバスに乗れ」と案内される。
よく意味が分からず、駅前の大きな通りを渡って白いバスの方へ進んでみたらとんでもなく長い行列ができたいた。
どうやらハーレムへの電車は補修工事の関係で運休しており、代行バスが走っているらしい。
そのバスの利用者がずらりと並んで順番を待っているということらしい。
行列は長かったけれど、大型バスが次々にやって来てピストン輸送をしているので、それほど長く待たされることはなかった。

バスを待つ人
[代行バス]

バスの振り替え輸送などがあったりして、宿へ戻ったら7時半を過ぎていた。
ホステルのレセプションに「明日の朝は7時に出発するよ」と伝えたら、「朝食は7時半からだよ、でもなんか食べ物をパックしてあげようか」と申し出を受ける。
喜んで申し出を受け、ちょっと待っていたら大きな紙袋にパンやチーズ、リンゴやクラッカーのようなものを詰めて持ってきてくれた。
また部屋でシャワーを浴びて、冷えた体を温めてから裏の公園のベンチへ向かう。
公園の入り口でカモの親子に出会う。

カモの親子
[水辺が多いからカモや白鳥も多い]

最後の夕食はさっきもらった紙袋に詰めてもらった朝食用の食材。
つまり、いつもとおんなじパンとチーズ。
それとスーパーで買った格安の紙パック入り赤ワインも飲む。
このワインがやたらと軽いワインで、パックにはEUで生産された赤ワインだけをブレンドしたものだとは書いてあるが、アルコール度数の表示がされていない。
時刻は8時半を回っているけれど、まだまだ十分明るい。

8時半
[ちょっと遅めの夕食]

これでオランダでの3日間はお終い。
またドミトリーの部屋へ戻って早々に寝てしまう。

4月17日 (月)
とうとう帰る日。

ホステル前のバス停
[ホステル前からバスに乗る]

朝7時にホステルを出てハーレムを経由して空港へ向かう。
もうフリーパスは使えないのでクレジットカードを使ってバスに乗車する。
カードがスマートパスのように使えるのだから便利だ。
特に外国人旅行者にとって交通系スマートパスは決して便利じゃない。
その点でもオランダの公共交通機関は進んでいると思う。
※しかし、翌日クレジットカードのアプリから支出額をチェックしたところ、本来の運賃の約倍額が請求されていることが発覚。

スキポール空港には8時に到着し、チェックインもスムースだった。
出国審査も自動化されて、前回のように長く待たずに済んだ。
でも、空港内は大混雑。
物凄くたくさんの人がいる。
KLMのラウンジへ入れてもらったけれど、ここも座るところがないくらい人がいっぱいいる。
なんとか空席を見つけて、ハイネッケンビールをタップからグラスに注いで飲ませてもらう。
前回来た時はじめて生ビールをタップから注いだのだけれど、恐る恐るコックを引いたので、泡だらけになった苦い経験があったので、今回は思い切りよくコックを引いて、コックを戻した。
前回よりは上達したけれど、それでもグラスの半分は泡が占めていた。

生ビール
[少しは上達]

スペインの発泡酒カヴァもいただいた。
これ辛口で好きなんです。

カヴァ
[スペインの発泡葡萄酒]

食べるものは大した品ぞろえがなく、やっぱりパンとチーズとハム程度。
サラダもない。
果物はリンゴとバナナ。

帰りの飛行機もほぼ満席だった。
特に後方のキャビンはほとんど空席のないくらいぎっちり。
台湾の人と欧米人がほぼ半々くらい。

エコノミー
[後方キャビン]

ところが運よく私の座った3人掛けシートは私だけで、もともと私は通路側だったけれど、窓側まで席を占有できた。
これだとゴロ寝をしながら乗って行けるので、とっても快適だった。
他にも何席か私のようにラッキーな人がいたが、ちょっと他の人たちに悪いかなと言った気にもなった。

3席占有
[エコノミーのフルフラットシート]

今回の旅行で土産として持ち帰ったのは黒ネコがラベルに描かれているワイン。
これもスーパーで買ったものだけれど、チリワインだった。

黒ネコのワイン
[私もやっぱりキ印だ]

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ソンクラーン休暇にオランダ旅行(中編)
4月15日(土)
オランダでの2日目。
朝早く目を覚ましたけれど、同室者はまだみんな眠っているらしい。
6人部屋のベッドはすべてふさがり、2段ベッドで私の上には女性が寝ていた。
6時半過ぎには明るくなってきたので、一人でベッドを抜け出してレセプション前でメールのチェックを行う。
朝寝坊なのは、私の部屋のルームメイトだけではないらしく、ホステルの朝食も週末は朝8時半からのスタートだそうだ。
※平日は7時半から

この日私は北の方にあるホールンというところへ行き、保存鉄道のミニSLを見てきたいと予定していた。
SLは1日一本の運行らしく、ホールン発は10:40となっている。
ホールンまではホステル最寄駅から直通の電車があるらしいのだけれど、私の持っているフリーパスではホールンまで利用できないらしい。
その代わりアムステルダムからホールンまでバスの便が15分間隔で出ているとの情報を得ていた。

朝食の内容はシンプルで、チーズが2種類、スライスしたチーズだけれど1枚が巨大。
トーストなら2枚分くらいになりそう。
それにハムが数種類で、野菜はトマトとキュウリのみ。
温かいものはゆで卵だけ。
果物はリンゴ、オレンジ、バナナ、洋ナシ、キウイが丸ごと置いてある。
パンはスーパーでよく見かけるタイプのモノで、それでもずっしりとしていて美味しい。
コーヒーは自動コーヒーメーカーがあってフレッシュなものを飲ませてくれる。
バスの時間まであまり余裕がないので、大急ぎで目を白黒させながら食べる。
でもしっかりとたくさん食べる。

ギリギリでバスに乗り込むことができた。
バスは08:19発の便で、これに乗れば08:40にハーレムを出てアムステルダムへ行く電車に乗り継げる。
これでアムステルダムからバスに乗れば10時頃にはホールンに到着できそう。
しかし、乗り継ぎはそうは上手く行かなかった。
ハーレムの駅から乗ろうと思っていた08:40の電車はキャンセルになっていた。
さらに後続の電車は5分ほど遅れており、結局アムステルダム駅に着いたのは09:15頃になっていた。
それでも、ここから314番のバスに乗りさえすれば1時間ほどでホールンへ到着できるはずだった。
でも、また予定が狂った。
週末は314番のバスの半分が前日訪れたエダム止まりと言う。
まぁ、とにかく先に進まなくてはと、2日続けてエダムのと集落に立つこととなった。

アムステルダムのバス乗り場
[アムステルダムのバス乗り場は中央駅の裏側]

エダムでのバスの待ち合わせは15分ほどあり、その間にまたエダムの集落を少しだけ散歩。
結局ホールンに着いたのは10時半になっていた。

エダム
[二日連続のエダム散策]

今回の目的はSL列車に乗ることではなく、田園風景の中を走るミニSLを見たいというもの。
ここの保存鉄道のSL列車には昔ツアーで来て乗ったことがある。
乗ってしまうと窓から見える景色はSLでもバスでも大して差がない。

ホールン駅
[ホールン駅の跨線橋より]

SLの出発までわずか10分ほどしかなかったけれど、ホームへ入ることは遠慮して、駐車場の柵越しにSLを眺めた。
形はミニSLと呼ぶにふさわしく愛らしい形状だけれど、日本の小型SLと比較するとデカい。
もともとオランダの鉄道は新幹線サイズのレール幅だから、ミニと言ってもそんなに小さくない。
ホームへ入ればもっとよく見れるだろうし、迫力もありそうだけれど、お金も払わずのぞき見するからにはちょっと遠慮しなくてはと思ったから。
それに、本当に見たいのは田園の中を走っている姿。

SL列車出発
[出発進行]

SLが無事にホールンの駅を出発したのを見届けて、再びバスに乗り込む。
ホーンから北に10キロほどのところにアベケークというバス停があり、その辺は地図で見ると一面の田園地帯らしい。
そしてこの保存鉄道もこの辺りを走っている。
バスはSLが出発した後20分後の11時発だけれど、たぶんSLはのんびり走っているだろうから、きっと追いつき追い越せると判断した。
案の定、バスに乗って少しするとハイウェイと並行してSL列車が見えた。

アベケーク
[アベケーク]

アベケークというところは、ハイウェイのインターチェンジのようなところで周辺には何にもない。
予想通りの田園風景。
遠くにカラフルな色が見えるのはチューリップ畑だろうか。
こんなところを走るSLか見たかったのだけれど、SLが走ってくる線路はハイウェイを挟んだ反対側。
そちらの方へ回ってみたらば、広大な牧草地になっていて、チューリップなど全く見られない緑一色。
そうこうしているうちに遠くの方からSL列車がやってくるのが見えた。
機関車は後ろ向きに2軸客車を引っ張って近づいてくる。

バック運転
[ここはもともと駅だったらしいが汽車は通過していった]

ピカピカに磨き上げられすぎて、なんとなく古めかしいローカル線と言った雰囲気は全くないのだけれど、機関士や車掌はクラシカルな制服を着用していて、とても誇らしそうに見える。
そして大したスピードではないけれど、あれよあれよという間に目の前を通り過ぎて行ってしまった。

ピカピカの汽車
[ビデオに撮っておけばよかった]

次は午後にこの折り返し便がやってくるはずなので、それまで線路沿いに歩いて、あわよくば線路がチューリップ畑を走るところを見つけたいと思う。
線路に並行した田舎道をテクテクとまっすぐ歩く。
歩いても歩いても牧草地ばかり。
線路と並行して水路が走っている。
3キロほど歩いたところで黄色いチューリップが咲いている畑を見つけた。
しかし、残念ながら畑の中に立ち入らなくてはチューリップ畑の中を走るSLは見ることができない。

黄色いチューリップ
[黄色いチューリップ畑]

お昼時になっていたので、サイクリングロード沿いにあったベンチに腰掛けて昨晩の残りのバゲットパンとチーズをかじる。
白ワインの飲み残しもカバンに入っていたので、それも飲んでしまったら、まったくいい気分になってしまった。

ピクニック
[もう気分はピクニック]

更に1キロほど歩くと、赤いチューリップ畑があった。
こんどはチューリップ畑の向こう側に線路が伸びているので、構図としては理想的。
しかし、チューリップの花がまばらなのが残念。
まだ花が咲いていないのではなく、花だけが刈り取られている感じになっている。

赤いチューリップ畑
[花だけが刈り取られてちょっと無残]

もっと条件の良いところがあるのではないかと先へ先へと歩いてみる。
ピンク色のチューリップ畑もあったけれど、これまた残念ながら線路とは反対側に咲いている。

ピンクのチューリップ
[ピンクも線路と反対向き]

かなり歩いたところで、もう少しするとホールンへ戻るSL列車がやってくる時刻となったので、条件は今ひとつだったけれど、赤いチューリップ畑で妥協することにして、さっき歩いてきた道をもとへ戻ることにする。
時間がないので小走りに数キロほど走る。

しかし、なんたることか、さっきまでまばらに残っていたチューリップの花をさらに刈り取っている。
刈り取られた後には、なんにも残っていない。
うーむ、ちょっと畑へ入れさせてもらって、まだちょっと残っているチューリップの花越しに眺められるところへ行こうとしたら、作業をしている男性に追い払われてしまった。

チューリップ刈り取り中
[こんな機械で丸坊主にしていってしまう]

残念だが、チューリップはあきらめようとしたら、遠くから汽笛が聞こえてくる。
あぁ、もう時間だ。
仕方なく、刈り取られたチューリップ畑では絵にならないので、牧草地の中を走るところを眺めることにした。

牧草地の中のSL
[チューリップは映らなかったけど、なんとかSLの写真は撮れた]

こんどは機関車は前向きで客車を引っ張っている。
そして、こんどもあれよあれよという間に目の前を走り抜けていってしまった。
チューリップ畑ではないけれど、広々とした牧草地の中を走っていくSLはなかなか絵になっていた。
何と言っても、ちょっと風は冷たいけれど、空が青くてきれいなのがイイ。

走り去るSL
[ちょっと広角気味]

これで一応この日の目的は完了。
またアベケークのバス停まで延々と歩く。
途中はまた小走りに走ってみたりした。
カバン抱えて走っていたら、後ろから来た車から声をかけられた。
何と言われたのかよくわからなかったけれど「乗せてってやろうか」みたいなことを言われたのではないかと思う。
乗せてもらえればありがたいことはありがたいけど、言葉も通じずに乗るのはちょっと気詰まりなので、OK, Just Running, Thank youと適当に答える。

アムステルダムへ戻ってまだ4時前。
宿へ戻るにはまだ早すぎるし、フリーパスがあるので適当に電車に乗って隣町まで行ってみることにした。
乗り込んだ電車は急行のインターシティで、アルメールというところまで行くものだった。
このアルメールならフリーパスの利用範囲内なので、安心して乗って行ける。
車内の混雑度は大したことなく、日本の特急電車によく似ていた。
前回来た時にもインターシティーには乗ったけれど、そのときの電車は2階建てだったけれど、今回のは2階建てではない。

インターシティー
[日本の特急に似ている気がする]

アルメールというところは、これまで見てきたオランダの街とはだいぶ趣の違ったところだった。
これまで見てきたのが、どれも歴史を感じさせたり、おとぎ話の世界みたいだったけれど、ここアルメールはニュータウンと言った感じで、駅前は商店街となっており、大きなショーウィンドウにカラフルな商品が並んでいる。

アルメール駅前通り
[便利そうだけど面白みに欠ける町との印象]

少し奥まで行くと、広場になっていて青空市場のようなことをやっていたようなのだけれど、私が到着した時にはちょうど撤収作業の待っ最中だった。
魚や野菜などを売っていたようなのだけれど、イチゴを売っている露店もあり、そのイチゴはプラスチック製ではないかと思うくらい真っ赤な色をした大粒のモノだった。
最初ちょっと見た時はイチゴではなく、トマトを売っているのかと思ったくらいだ。

イチゴ
[こんなイチゴ今まで見たことない]

6時過ぎにホステルへ戻る。
こんどは駅近くにあるスーパー、やはりDEKAの店に入って買い物をする。
買ったものはパンとチーズ。
こんどのパンは丸っこくて大きく、色は茶色のモノをスライスしたもの。
やはりずっしりと思い。
タイのパンはフワフワで軽いものが多いから、食べても腹ごたえはないけど、こちらのパンは食べでがある。
チーズは白カビのチーズ。
やはり部屋へ戻ってシャワーをしてから、裏の公園へ行ってベンチに腰掛けてイワシの缶詰と一緒に食べる。


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