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2泊4日北海道旅行 / 定山渓温泉
6月18日 日曜日

札幌の民宿は素泊まりなので、朝食が付いていない。
朝食に何を食べるかだけれども、現在の札幌の名物「スープカレー」と言うのは気になっている。
職場の札幌出身者からは丁寧にもピカンティと言う店のスープカレーが美味しいとおすすめももらってきている。
もともと朝からカレーと言うのは嫌いではない。
また、ネットのブログや書き込みを読んでいるうちに"朝からスープカレー"と言うタイトルでピカンティを紹介しているものがあった。
うん、もう朝ごはんはピカンティのスープカレーで決定と、勝手に決めつけてしまう。

8時過ぎに宿を出て、札幌の街を東に向かって歩く。
既に昨日も歩いているので、地図を見なくても歩ける。
まず、向かった先はセントラルスポーツセンターと言う場所。
別に朝からフィットネスをしようと言うのではなく、そこから午後2時に定山渓行きのバスが出ることになっているので、その下見をしおく。
今朝も朝から大変にいい天気。

セントラルスポーツセンターまで20分ほど歩く。
ここまで荷物を引きずってくるのは大変そうなので、荷物は明日まで宿に預かってもらうことに使用などと虫のいいことを考える。

このスポーツセンターの近くに二条市場があった。
札幌の台所などと紹介されているようだけれど、台所的な市場ではなく、観光客向けの水産物店と言った感じになって、毛ガニやタラバなどを中心に売っている。
また夕張メロンなんかも並んでいる。
カニは一万円前後、メロンも数千円前後と発展途上国で勤労している私には手の出ないような金額。
貧乏臭さは、私の場合、着ているものも顔つきにも出ているためか、店先のお兄さんたちからほとんど声がかからない。
しかし、私の前後を連れ立って歩いている人たちは、熱心に呼び止められて、口上を聞かされている。
この二条市場では朝食を食べさせる食堂もあるようで、見た感じ大衆食堂のようだが、表看板に出ている海産物の丼は、数千円となっている。
朝ごはんの丼に数千円を使える人たちが世の中には沢山いるらしい。
私はウニも魚卵類も、カニもエビも大金をはたいてまで食べても、味の違いか判らないので、コレステロールが高そうだから、健康のために食べない方か良さそうだなどと勝手に自分自身に言い聞かせてしまう。

二条市場のすぐ先の創成川は、大道理公園ほどではないが道の真ん中が公園になっていて、そこにたくさんの人が集まって、ヨガダンスのようなことをしていた。
その数数百人以上。
観光客風も多く、またこの集団を取り囲んで写真を撮っている人も多い。
この街中の集団ヨガダンスも札幌の観光名物の一つなのだろうか。

集団でヨガ
[二条市場前の創成側川にある公園では集団でヨガをやっていた]

銀行口座へ現金を入金しなくてはならない。
明日、定山渓からもどって処理しても間に合いそうだけれども、そうするとかなりバタバタしそうなので、できれば今日のうちに処理したいと思っていた。
持っている口座は「みずほ」と「住友」で、どちらも札幌に支店があるが、今日は日曜日だから支店業務はやっていないはず。
CDでどこまで処理できるかわからないので、確認のために二つの銀行へ回ってみる。
そして判明したことは、どちらの銀行も現金の入金手続きがCDでできること、しかも住友銀行なら日曜日でも通帳を使えば手数料無料とのこと。
これは住友銀行に今日中に入金しておくに越したことはない。
残念ながら、みずほは手続きできても手数料がかかるらしい。
銀行によってルールがひとなるようだ。

ふたたび旧道庁まで行き、レンガ造りの外観を眺める。
朝早くから観光客がたくさん集まっている。
札幌は観光都市だ。
旧道庁の内部は博物館になっているらしい。
季節なのか白い綿毛がふわふわと空気中にたくさん漂っている。
ポプラの綿毛だろうか。

旧道庁
[今日も快晴 6月だけど五月晴れみたいだ]

白いのは綿毛だけではなく、青空に大きな白い鳥が飛んでいる。
大きさはカラスほど、目をよく凝らしてみるとカモメのようだ。
札幌は港町でもないのに、どうしてカモメがこうして街の空を飛んでいるのだろうか?

札幌にカモメ?
[青空に白く見えるのが、どうやらカモメらしい]

さて、朝食にスープカレーを食べようと思っていたピカンティだけれど、9時を過ぎているのにまだ営業していない。
日曜日は定休日なのだろうかとも思ったが、店の前に張り紙がしてあり「11:00からの営業」とある。
11:00では朝食ではなく、昼食ではないか、、、情報を読み間違えていたのだろうか?

スープカレーのピカンティ
[スープカレーのピカンティの営業は11時からとなっていた]

宿は10時チェックアウトなので、いったん宿へ戻り荷物を整理して、カバンは宿の奥さんに明日の11時半ころまで預かっていただくようお願いする。
味噌、醤油、ソバなど重いものばかりを詰め込んだのでカバンがずっしり重くなってしまった。

さっき確認した住友銀行まで戻って現金を入金する。
そのままピカンティの前を通ったら、まだ営業開始まで30分はあるというのに、もう店の前に並んでいる人がいる。
私は朝食を食べていないし、このまま私も並んでスープカレーを食べようかと言う気になりかけたが、昨晩の雪辱を晴らすため、回転寿司のトリトンまでテクテクと歩く。
本日も快晴なり。

札幌大通り公園
[朝からこんなに天気がいいと、本当にうれしくなる]

11時を少し回ったところだというのに、トリトンはもう行列ができていた。
受付で確認すると、だいたい30分待ちとのこと。
わざわざここまで来たし、これから他を探しても時間の無駄になりそうなので、行列に並んでみる。
並ぶといっても、立って並ぶのではなく、ベンチに腰かけて、番号を呼ばれるのをひたすら待つだけである。

トリトンで順番待ち
[開店早々というのに、もう数十人が並んでる大盛況]

番号が呼ばれ、カウンター席に案内されるが、勝手がよくわからない。
とりあえずオシボリは渡されたが、お茶などはセルフサービスらしい。
よく見まわしたらカウンターの上に給湯コックが用意されていた。
コックは2つ付いていて、湯のみを押し付けると湯が出る仕組みらしい。
しかし、確かに湯は出るのだが、お茶ではない。
ただの透明なお湯である。
隣の人を見てみると、ちゃんと緑色のお茶が湯のみに入っている。
うーん、これは一体?
ティーバッグも見当たらず、しばし考える。
そうだ、コックが2つ付いているから、きっともう一つのコックからは緑茶の濃い原液が出て、お湯とミックスして好みの濃さにする仕掛けだろうと見当をつけた。
見当は外れた。
もう片方のコックからも透明なお湯しか出なかった。

後でわかったのだが、醤油やガリなどをセットした所に抹茶の粉があり、これを湯のみに入れてからお湯を注ぐシステムになっていた。

目の前のカウンターの前をベルトコンベアに乗った寿司が回っている。
まるほど、テレビとかで見てきた回転寿司とおんなじだ。
皿の色によって値段が違うはずだが、何色がいくらなのかよくわからない。
銀シャリに乗ったネタが大振りで、なるほどこれが人気の原因なんだろうと解釈する。
しかし、どの皿から食べようかと思案しているうちに皿はどんどん流れて行ってしまう。
あんまり考えずに、勝手に手を伸ばすのがコツらしい。

イカ、アジ、タコ、サバ、甘エビ、軍艦巻きなどを適当にとって食べてみる。
イカやタコは厚切り過ぎて、可否切るのに苦労する。
もう少しワサビを利かせて食べたいが、抹茶粉やガリなどのある場所にはワサビは置いてなかった。
周りの人を見てみると、回ってくる皿に手を伸ばすだけではなく、カウンター奥の板前さんに単品ずつ注文していたりする。
しかし、その注文の仕方が難しい。
あんまり聞きなれない、創作料理のような名前で注文している。

そんなわけで、回ってくるものばかり食べていたわけだが、それでも7皿か8皿は食べたことになり、ランチタイムでシャリも大きめだったこともあるのか、すっかり満腹になってしまった。
しかし、周りを改めて見回してみると、女の人でも10皿くらい食べている人がいる。
10皿と言ったら、20貫相当ではないか。
札幌の人は随分と食べるものだと感心してしまった。

お腹いっぱいになり、ふたたび中心部に向かって歩く。
汗ばむくらいの陽気だ。
昼と夜の温度差が大きい。

気温は27℃
[気温は27℃を示している 気温は高いけどさわやか]

時計塔を横切り、大通り公園を突っ切って、三度旧道庁まで来て、今度は内部の博物館を見学させてもらう。
入場料は無料であった。
北海道開拓の資料や樺太、北方領土に関する展示に力を入れているらしい。
樺太については、終戦時の悲劇の展示があり、すでに何度も聞いている話だけれど、白黒写真とともに解説にひとつひとつ目を落としてしまう。

時計台前の観光馬車
[アスファルトで馬車を引くのは馬も辛かろう]

午後2時の定山渓ビューホテル行きのバスに乗り込む。
熟年女性の小グループと、なんとか戦車隊御一行と言う老人団体と乗り合わせた。
あぁ、今でも戦友会と言うのは続いているのかぁ、と感慨に耽りかけたが、戦友会の構成員にしては、老人と言ってもまだ70歳代くらいにしか見えない。
どうやら自衛隊のOBのようだ。
沿道をあちこちを指さしながら、昔話に花を咲かしている。

1時間ほど走り、トンネルを2つほど抜けて、定山渓温泉で最初に見えてきたホテルがビューホテル。
バスから降りて、フロントでチェックインをするため列に並ぶ。
バスで降りた人たちが一斉にチェックインするわけだから、込み合うはずだし、しかも大型バス2台での到着である。

部屋は本館15階の洋室であった。
眺めは良い。
眼下に渓谷と大きな橋、そして温泉旅館などが見える。
しかし、部屋の中は洋室で、しかもあんまり趣味のよくないシャンデリアなんかがあったりして、温泉情緒には少し欠けている。
女中さんがお茶を入れに来てくれるわけではないが、
それでも、温泉饅頭はひとつ置かれていた。

定山渓ビューホテル 本館洋室
[一人には広すぎるくらいの部屋]

浴衣はサイズの合うものがなかったので、フロントに降りて特大サイズを借りてくる。
その際に「この周辺でハイキングコースのようなものがないだろうか」と尋ねてみたが、「このあたりにはハイキングコースのようなものはない」と初老のフロントマンは答えた。
彼は日本人であったが、そのほかの若いホテルスタッフのほとんどが、オさんであったり、シュウさんであったりとかで、ほとんどが中国や韓国出身者の様であった。
もっとも、宿泊客にも韓国人グループがだいぶいるようだった。

定山渓温泉街
[定山渓ビューホテル本館15階の部屋からの景色]

ハイキングコースがないのは寂しいが、ともかく定山渓温泉周辺を歩き回ってみる。
国道との交差点に「太郎の湯」と言う公共の足湯施設があった。
足湯に浸かっている人もいる。
足湯の隣に河童の像が立っている。
河童には名前がついていて、「かっぱ太郎」と言うらしい。
なんだかキュウリの漬物みたいだが、女の子みたいに見える河童の像であった。

かっぱ太郎
[空き地にはルピナスの花がたくさん咲いていた]

信用金庫の小さな支店があり、そこが観光案内所を兼ねていた。
定山渓に関するパンフットや案内などはあまり充実していなかったが、周辺を歩くのに手頃な地図を頂戴した。
ホテルではハイキングコースなどはないと言われたが、地図を見てみると、ちょっとしたハイキングに良さそうなところが地図に記載されていた。
すぐ近くの神社の奥には「夕日岳」と言う標高594メートルの山があり、登山道があるようだし、温泉街の反対側にも同じくらいの高さで「朝日岳」と言うのがあり、観音堂から登れるらしい。
さらに定山渓と言うくらいだから、渓谷になっており、渓谷に沿って「二見定山の道」と言うのもある。
6月の北海道は日が長く、夕日まではまだ何時間かありそうなので、二見定山の道と言う渓谷沿いの道を歩いてみることにした。

二見定山のハイキングコース
[二見定山のハイキングコース]

ハイキングコースなどないとはとんでもないことで、ちゃんとしたハイキングコースが2本も渓谷沿いに整備されており、渓流コースとふるさとコースがあった。
私は2.5キロの渓流コースを歩くことにした。
新緑に覆われた山道で、渓流の音を聞きながら、気分の良い散策ができた。
途中、道か崩れているのか、立ち入り禁止になり迂回しなくてはならない箇所もあったりした。

通行止め
[崩れた箇所でもあるのか通行止めになっている箇所もあった]

定山渓温泉には河童のオブジェがたくさんあり、河童伝説が有名らしいが、その伝説の発祥の地となるのが「かっぱ淵」ということになっているが、上流にダムができてしまっているためか、淵をはじめ渓流の水量は河童が暮らせるほどには多くないようだ。

かっぱ淵
[河童に惚れられた若者が淵に引きずりこまれ、河童と暮らすようになったという伝説の場所]

「二見吊橋」と言う赤く塗られたきれいな吊り橋がかかっており、ここら辺から観光客の姿を見かけるようになった。
台湾かららしい夫婦連れも記念写真など撮っていた。
また、観光客の姿だけではなく、河童のオブジェも多くなった。
それぞれの河童は河童と言うだけで、統一されたイメージはなく、バラバラの個性を持った河童たちである。

二見吊橋
[この橋から先は公園など整備が進んでいる]

このハイキングコースではFree WiFiスポットがあったりして、ネットに接続できるようになっている。
こうした屋外でFree WiFiを開放しているというのは、観光客誘致に効果的だと思われる。
下手にホームページで宣伝しなくても、観光客が勝手に撮った写真をネット上にアップしてくれるのだから。

カッパかっぱ大王かっぱの水飲みヨシヤルゾ

ホテルの横には大きな定山渓大橋と言うのが架かっているが、その橋の陰に隠れるように、高山橋と言う古びた吊り橋があり、営業していないのではないかと思われるような旅館につながる急な坂道を渓谷に下ったところに架かっていた。
この高山橋を渡ってホテルに戻る。

高山橋
[廃橋のようにも見える高山橋]

ホテルの入り口にいたスタッフに「今日の入り込み具合はどうですか?」と尋ねたのだが、どうも質問の内容がわからなかったらしく、中国訛りで「フロントで聞いてください」と言われる。

夕食は6時からと言うことになっているので、まだ1時間ほどある。
温泉に来たからには、温泉三昧としなくては、、、
浴衣に着替えて、最上階の展望浴場へ。
そして、さらにその上の、屋上にある露天風呂へ。
露天風呂そのものは、屋上にあって、周囲の眺めはよいのだが、屋上そのものは、殺風景で、ただコンクリートの屋上に温泉があるといった感じ。
葦簀がかかっているわけでもなく、湯から上がって腰かける場所もない。
もう一工夫ほしいところだ。

お湯そのものは、無色でほとんど無臭。
北投温泉の強烈なお湯とは反対におとなしいお湯。
温度も適温で、42度くらいのようだ。
浴槽内の水位が高いというか、ちょっと深めの湯の張り方で、浴槽の中でしゃがんでも、腰を少し浮かせていないと潜ってしまうほど。
そのためか、露天風呂の浴槽の片隅に、アルミ製の台が沈めてあり、腰かけられるようになっていた。

この定山渓ビューホテルは、最上階以外に地上階にも大きな入浴施設があり、大急ぎでそっちのお風呂にも行ってみる。
こちらの露天風呂は眺望こそ望めないが、岩風呂になっている。
そして、やはりちょっと深い。
露天以外にもミストサウナやジャグジー、打たせ湯などがある。
私は、泡の出お風呂とかより、静かにお湯に浸かっている方が好きなので、ジャグジーなどには入らなかった。
私はまだスーパー銭湯と言うところへ行ったことがないが、スーパー銭湯もいろんな入浴施設がそろっているそうだけど、私には普通の銭湯の方が好ましく感じることだろう。

夕食は巨大なバイキング会場で食べることになる。
自由席と言うわけではなく、ちゃんと席が指定されているようで、会場の入り口で受付をしたら、若い男性スタッフにテーブルまで案内された。
スタッフは日本人であった。
そして、「まずはお飲み物の注文から承ります」と当たり前ながら、ちゃんとした日本語で聞かれる。
今晩は飲まなてもいいかなと思っていたが、こんな聞き方をされると、やっぱり何か注文して起きたなる。
風呂上りでもあることなので、ビールを注文。
「お客様、ビールでしたら、飲み放題プランがお得ですよ、2杯も飲めば元が取れます」なんて私の心理を突いた言い方をしてくる。
いつもなら、ウエルカムなところだが、今日のところは自重しておく。
夕食のバイキングのバラエティーがすごく多いので、ビールを飲みだしたら、せっかくのバイキングが食べられなくなってしまう。

まずは、ビールのツマミになりそうな枝豆や竜田揚げ、たこ焼きなどをもらってきて、グビリとやってみる。
いやぁ、こりゃ美味い。
ビール790円也は節約旅行中の身には安くはないが、でもやっぱりビールを頼んでよかったと思う。
続けてズワイガニとニギリ寿司をもらってくる。
ズワイガニは冷凍ものだろうし、あんまり期待していなかったが、細い脚ながらちゃんと身が入っていて、手掴みで、身をほじくり、ほじくり食べる。
寿司はトリトンとはだいぶ違って、貧弱ではあるが、バンコクのブッフェに並ぶ寿司よりはずっと上等だった。
しかし、カニを食べていたら、ビールが急激にまずくなった。
ビールにカニの生臭さが移ってしまったのか、なんだか鼻につく。
うん、やっばり飲み放題にしなくて正解だったようだ。

それからも、ステーキ、サラダ、煮物、うどん、ラーメン、ピザ、カレーライス、アイスクリーム、みつ豆、ケーキと食べまくる。
パスタも食べたかったが、断念する。

ガパオライス
[定山渓ビューホテルのガパオライスだそうです]

夕食後、腹ごなしに定山渓の温泉街を歩いてみる。
温泉街と言っても、閑散としたもので、そぞろ歩きをしている人をあんまり見かけない。
スナックなどもあるにはあるがカラオケなんかも聞こえず閉まりかえっている。
今日が日曜日の晩だからなのだろうか。
月見橋という橋のあたりが温泉街の中心地のようだったが、大きな温泉旅館は何軒も集まっているが、温泉街特有の猥雑さなどは微塵もなかった。
それとも芸者さんがお座敷へ行き来しているような温泉街は21世紀の日本にはなくなってしまったのだろうか?
浴衣でそぞろ歩きをしている観光客は見かけなかったけれど、河童のモニュメントはあちこちで見かけた。

足湯の河童たちミスジョウザンケイ定山渓温泉

昼間は暑いくらいだったけれど、夜になると気温が下がり、寒くなってきた。
浴衣がけで歩き回ったら、すっかり体が冷えてしまい、ホテルへもどってまた屋上の温泉に浸かる。
満天の星空を期待したのだが、星はあんまり見えなかった。

[最終日へつづく]

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2泊4日北海道旅行 / 札幌 いい街ですよねぇ
6月17日 土曜日

桃園空港へは7時前に到着。
札幌行きは第二ターミナルからの出発だけれども、もう搭乗券は持っているし、どうせターミナルの中はつながっているのだからと、第一ターミナルでバスを降りた。

早朝にもかかわらず、出国審査場入り口はすごく混雑していた。
長い行列が審査場の外まで続き、これでは1時間くらいかかるのではないかと、今からでも第二ターミナルへ向かった方が良いのではないかと思いかけたが、長い行列はそれでもちゃんと流れている。
手荷物検査のゲートもフル回転でどんどんと処理している。
やはりバンコクの空港とは、利用者に対する対応が違っているようだ。
心配する必要がないくらい、ものの10分とかからず手荷物検査を抜け、出国審査もほとんど並ばずに通過できた。

搭乗開始までまだ1時間以上あり、中華航空のラウンジで朝食を兼ねて休ませてもらう。
ここの第一ターミナルのラウンジのサービスも今月から中華航空直営から外注に変わったと連絡が来ていたけれど、受付スタッフの制服が変わったくらいで、サービス内容は依然と一緒のようだ。

まずは擔仔麺と言うのを注文してみる。
いつもは牛肉麺をいただいているのだけれど、朝から牛肉の塊がゴロゴロしているようなものはあまり食べたくない。
擔仔麺が何なのかよくわからないが、字ずらから見て台南名物の「担仔麺」のようにも思える。
出てきた擔仔麺は、私が想像していた担仔麺とは少し違い、汁なしの和え麺のようなものだった。
これに唐辛子味噌とザーサイをたっぷり入れ、黒酢とたまり醤油、ごま油で味を調えていただく。
あっさり加減は期待に沿えなかったけれど、ビールり当てとして食べるにはなかなか乙な味になった。
飲茶やネギのサラダも食べさせてもらう。

擔仔麺
[これが擔仔麺 汁アリも可能なようだった]

台湾らしく朝粥用の惣菜も並んでいるが、普通の白粥はなく、あるのは粟の粥であった。
粟の粥は食べつけないので、ちょっと食感が気になってしまった。

粥用の総菜コーナー
[粥用の総菜コーナー 料理のケータリングは以前同様にノボテルがやっているようだ]

搭乗に際して、ゲートの改札口を抜けるときに、呼び止められてしまった。
「シートチェンジ」だという。
ゲゲゲ、シートチェンジはうれしくない。
大好きなジャンボの2階席を確保していたのに、変更後の席は17Aになるという。
「え、シートをチェンジしたくないんだけど、、」と訴えたのだが、係員は別の先輩格係員を呼び出した。
日本語が話せる先輩格は、「本日は満席、席を変わってください、これいい席ですよ」と言う。
いい席と言われても、2階席ではないのは確かで、うれしくはないが、航空会社の規程で事前指定の座席は確約しないことになっているから、文句を言えた義理ではない。

ジャンボジェット
[小学校一年の時、クラスで大きなジャンボジェットの絵を描いて教室のうしろに張り出してた]

致し方なく、ペンで10Aの文字を消して、17Aと書き込まれた搭乗券を持って、ジャンボに乗り込み、2階席へ登る螺旋階段を恨めしく横目に見ながら、奥へ進もうとしたら、「こちら側です」とカーテンの奥へ招じ入れられた。
案内された席はまたもビジネスクラスの最前列席であった。
つまりアップグレードされたわけで、ウェルカムドリンクを渡されて席に着いた。
今度はリンゴジュース。

またまたビジネスなので、快適であることは確か、それに最前列で足元も広々している。
しかし、窓際に荷物を入れる場所がないのは、やはり2階席に劣る。
機内食には和食、飲み物にはシャンパンをいただく。
和食の内容は煮物が中心で、あっさり薄味仕立て、お椀に味噌汁、茶碗にご飯。
ご飯のお代わりサービスが可能なのか気になるところだけれど、さっきラウンジで食べ過ぎてしまったので、お代わりの検証は断念する。
その代わりシャンパンのお代わりは次々に持ってきてくれる。
果物と和菓子のデザートもあった。

煮物中心で懐石風の機内食
[煮物中心で懐石風の機内食 ]

デザート
[デサートと何杯目かのシャンパンと、、]

シートをフラットに倒してみるが、床面と平行になるくらいとはいかず、若干斜めになっている。
さらにフットレストの長さが足りないので、ちょっと中途半端で、塩梅が悪い。
最近のシェルフラットなら足を突っ込む穴のようなところがあるけど、この機材にはない。
最前列なので、足が前につっかえることもないが、延ばした足先は空中に泳いでいて、支えがないというのは安定感がない。

寝不足を補うつもりで、居眠りをしているうちに、あと30分ほどで札幌との案内がある。
窓から外を見るとちょうど津軽海峡の上空を飛んでいた。
よく見ると函館山も見える。
本州側は厚い雲に覆われているが、北海道側は良く晴れているようだ。

函館山
[津軽海峡から函館が見える]

噴火湾を横断し、苫小牧あたりから内陸に入り、樹海のようななかにぽっかりと現れた空港に着陸。
うーん、北の飛行場の雰囲気があるなあ。

ジャンボ機の乗客の大半が台湾からの旅行者のため、入国審査場で日本人のブースはガラガラ、一方外国人用は長蛇の列ができている。
この飛行機だけでなく、中国や韓国からの飛行機の到着とも重なっているようだ。
ターンテーブルで荷物が出てくるのにしばらく待たされる。

ここから札幌市内までは高速バスで向かう。
バス乗り場の係員は、あんまり愛想がない。
はっきり言えば、不親切。
外国人の利用者に対して、怒鳴るような言い方をしている。
言葉ができなくても、せめて丁寧な言い方をすれば、外国人にも伝わるだろうに、、
私は「ススキノまで行きたいけど、このバスは行きますか」ともちろん日本語で質問したが、完全に無視されてしまった。

結局、バス停に止まっていたバスがススキノへ行くかどうか確認とれず、やり過ごしてしまった。
次のバスまで、さほど待つこともなくてよかったけれど、インバウンド、訪日と騒いでいるけど、結局これも現実なのだろう。

バスは原生林や牧場の続く高速道路を快調に進み、札幌市内の北側から中心部に入っていった。
天気もいいし、ビルやマンションなど新しい建物が多く、街路樹の新緑が光っている。
いい季節に来ることができて良かった。
札幌駅前を通過、やがて大通公園を横切り、ススキノで下車する。

札幌への高速バス
[バスの車内はWiFiも使えた]

今夜の宿はススキノから徒歩15分ほどのところにある「民宿野中」。
民宿と言ったら、おかみさんの手料理が楽しみになるところなのだが、この民宿野中は素泊まりだけで、食事の提供はしていないとのこと。
そんなこともあって、料金も格安で、個室利用で3,500円ぽっきり。
民宿の前まで行ったら、ちょうどおかみさんが出ていて、「こっちだよ」と声をかけられる。

民宿野中
[民宿野中 私の持ってる民宿のイメージとはだいぶ違う]

この宿、昨日まで私と同様にバンコクに長年住んでる日本人が泊まっていたとのこと、その人は札幌に友人がいるとかで、毎年来ているのだそうだ。
また、今日はいい天気になったけど、この間までは雨が続いて、よさこい祭りのときは皆ビショビショになって踊ってたよと言う。
う? よさこい祭りは高知県じゃなかったかなと一瞬頭が混乱する。
どうも「よさこいソーラン祭り」と言うのが最近人気らしい。

民宿野中の部屋
[もともと畳の部屋にカーペットを敷き簡易ベッドが入った部屋 畳に布団の方が良かったなぁ]

お風呂は家庭用のお風呂が一つあるきりで、5時から入浴できるとのこと。
「お風呂入る人、あんまりいないのよ、みんなシャワーだけみたいで、シャワー室は上の階にあるから」と言う。
5時まではまだ1時間ほどあるので、一回り近所を散策して5時になったら一番風呂を使わせてもらうことにしよう。

宿を出て、北へ向かって歩く。
すぐに大通り公園に行きつく。
何度か札幌に来ているが、大通り公園の中を歩くのは初めて。
土曜日と言うこともあり、青空のもと、家族連れでピクニックに来ているらしい人たちが多い。
札幌、いいですねぇ。

大通公園
[大通公園を都市計画に盛り込んだ人は天才だ]

さらに先へ歩くと、植物園のフェンスが見えてきた。
フェンス越しに見える植物園は、植物園と言うより、原生林そのままではないかと言うくらい、鬱蒼とした森になっている。
このフェンス沿いに植物園を半周して、つぎに旧道庁へ出る。
レンガ造りの美しい建物で、観光客であふれている。
日本人の観光客もいるが、韓国語や中国語でガイドたちが熱心に説明しているのが聞こえる。
個人観光客もあちこちで自撮り棒を使って撮影にいそしんでいる。

旧北海道道庁
[道庁前ではオートキャンプフェアのようなことをやっていた]

この道庁前の桜の木には、まだ桜の花が咲いていた。
北海道の桜はゴールデンウィークが見ごろと聞いていたので、6月の半ば過ぎに桜が見られるとは驚き。
ことしは日本で桜が見れるとは思っていなかったので、とてもうれしい。

6月の桜
[初夏の青空に咲く櫻花]

道庁前から時計塔へ進む。
ガラガラとキャリーバッグを引きずる観光客が多くなってきた。
東京もアジアからの観光客が多いが、もともと東京は人の多いところなので、観光客が目立つ程度だけれど、札幌は観光客ばかりで、なんだかバカンスシーズンのパリに似ているような気がする。
当然、時計塔でも観光客の記念写真で大賑わいである。

札幌時計塔
[昔、札幌のバスガイドさんがこの時計塔を日本三大がっかりの一つと言ってたが、それでも大人気の様子]

ススキノは北日本最大の歓楽街と言うことで、夜遊びの店が多いところだけれど、そうした店への呼び込み放送や看板より、店で働く女性従業員のリクルート目的のものが多かった。
「手軽に稼いで、リッチな生活~!」なんて放送がひっきりなしに流れてくる。

宿に戻って、一番風呂をいただく。
民宿のお風呂なので、普通の家庭用のお風呂である。
「使い終わっても栓抜かないでね」と言われていたので、髪の毛など残さないように注意して入浴する。

今夜の夕食だけれど、札幌と言えば、私などは札幌ラーメンが名物だと思っていたが、どうやら今はラーメンよりもスープカレーをはじめとしたカレーが名物になりつつあるようで、さっき散策した時も、あちこちからカレーの香が漂ってきていた。
スープカレーなるもの、一度も食べたことがない。
昔チェンマイに住んでいたとき、ナコンピンコンドにスープカレーの店が一時営業していた記憶がある。
「札幌で修業したシェフが作る・・・」と言ったコピーを現地のフリーペーパーに載せていたような気がするが、一度も食べに行かないまま消えてしまっていた。

また、寿司も大人気で、札幌に来たら寿司を食べなくては嘘だみたいな雰囲気になている。
寿司は以前にも札幌で何度も食べている。
人気の寿司屋はずいぶんと混んでいた記憶がある。
しかし、今は札幌でも回転寿司の時代らしく、回転寿司の有名店と言うのもあるらしい。
もともと刺身や寿司にそれほど固執するタイプではないし、回転寿司など絶えて入ったことがない。

そして、これは名物でも何でもないようだが、札幌でぜひ食べに行ってみたいと思っていた店がある。
「みよしの」と言うチェーン店で、札幌中心に沢山あるらしい。
ここはカレーと餃子の専門店だが、B級と言うか、安さで勝負に出ているような店なのである。
ネットで見つけて、そのユニークさに感動してしまった。
餃子だけのことなら、関西中心に餃子の王将があるが、みよしのは餃子とカレー。
その他は、サイドメニューなどもほとんどないし、トッピングなんてちゃらちゃらしたものもほとんどない直球勝負。
メニューのバラエティーはボリュームの大小くらいで、とにかく餃子とカレー。
しかも、餃子カレーと言うのも人気らしく、カレーライスに餃子が乗っかって、カレーまみれになっている。

札幌市電
[最近はチンチン電車と言う言い方はしないのだろうか]

宿を出て、市電の走る道路を南へ歩く。
市電が走る通りなのだが、あんまり交通量の多い道ではない。
繁華街でもなく、住宅街の中を緑色の市電が走っている感じだ。
中島公園あたりで東に向かい、豊平川を渡る。
水量が豊かな川で、流れも速い。
サケも遡上してくるらしいが、こんな大都会の真ん中を流れる川でサケの遡上が見られるなんて、にわかに想像がつきかねてしまう。

豊平川
[魚が上ってこれるように段差を切ってある]

豊平川を渡り、地下鉄の入り口のある交差点まできたら、ありました「みよしの」。
早速なので、ビールと餃子を食べてみたいと思います。
店のつくりはカウンターのみ。
小さな店で、入り口もちょっと陰気っぽい。

みよしの
[裏通りのラーメン屋のような店構え]

ビールと餃子のセットを注文。
カウンターの上にはおしんこが密閉容器に入っておかれていて、勝手に小皿にとって食べても良いらしい。
ビールはやっぱりサッポロビールで、中ビン。
ちゃんとグラスも冷たのが出てきた。
餃子は焼き餃子で、もっちりしたラーメン屋の餃子と言うより、スーパーのお総菜売り場で売られている餃子のような味であった。
ビールのツマミとしては、悪くない。
カウンター越しにカレーの鍋があり、カレーの香が終始鼻孔をくすぐるので、ついでにカレーライスも注文してしまった。
カレーライスは、たぶん野菜とかも溶け込んでいるのだろうが、ドロリとしたカレーソースの中に固形物らしいものはほとんど確認できなかった。
福神漬けがやたらとあうカレーライスだった。

サッポロビール
[風呂上りと言うこともあり、ビールが格別美味しい]

なお、私の隣にあとからきて座った浪人生風の若者、餃子カレーを注文。
餃子が焼きあがる数分間、カウンターのお新香をポリポリ食べていたかと思うと、
「すみません、急に用事で来たんで餃子カレーキャンセル」と言って店を出て行ってしまった。
食べたお新香と、焼きかけの餃子はどうなるのかと思ったが、店員たちは何も言わなかった。

ほぼ満腹ではあるが、まだ食べようと思えば、食べられそうな腹具合。
そのまま住宅街を北に向かって歩く。
もう7時半を回っているが、まだ空は薄明るい。
北国の6月は日が長いらしい。
昔、スコットランドへ初めて行ったとき、メルローズと言う小さな町で、まだ明るいのに、店と言う店が全部閉まっていて、どうしたんだろうと不思議に思いながら、時計を見たらもう夜の9時半を過ぎていたということがあった。

豊平の通りにでる。
ここには札幌出身者から「おすすめだよ」と言われていた回転寿司の「トリトン」と言う店がある。
まだ、寿司なら一人前くらい食べられそうだ。
さっそく、トリトンを探してみる。
大きなとんかつ屋の隣にトリトンはあった。
ファミリーレストランのような大きな店であった。
しかし、満席であった。
入り口で係員に待ち時間を聴いたら、「1時間くらいは」とのことであった。
行列のできる人気店で、行列にいかに長く並んで食べたかを自慢している人がいるが、私はそんな行列を作ってまで食べたいとは思っていないので、「あー、じゃまた来ますね」と言って寿司は諦めることにした。
また明日の昼にでも食べに来てみることにする。
お昼は11時からとのこと。

トリトン
[札幌人は回転寿司を1時間待っても食べたいらしい それほどまでに旨いのだろうか]

宿への帰り道、狸小路のドン・キホーテで食料品の買い出しを試みる。
東京の自宅近くにもドン・キホーテがあり、食品売り場がとても充実していて、大変重宝しているのだが、ここ狸小路のドン・キホーテの食料品売り場は貧弱であった。
醤油を買おうと思ったが、メーカー物はキッコーマンしかない。
安い醤油は聞いたことのないメーカーのモノ。
ソバも買いたいのだが、あんまりバラエティーがない。
致し方なくキッコーマンと何種類かのソバを買う。
この手の食品は寂しかったけれど、お菓子や土産用の食品の売り場にはアジアからの観光客が大騒ぎしながら買い物をしていた。
韓国人が多いようで、携帯電話で写真を撮って、あれかこれかしているし、中国人たちも、なんだかよくわからないけど中国からの輸入中華調味料などを買い物かごに入れてたりする。
レジではタイ人観光客がレシートの分け方で、レジ係と交渉している。

夜の狸小路
[夜の狸小路もアジアからの観光客でいっぱい]

宿の近くにもスーパーがーあった。
ここもついでにのぞいたら、イオン系のPBブランドの醤油が100円ほどで売っていた。
なんだ、ドン・キホーテで買わなくても、醤油なんかこんなスーパーで買えば良かったんだと、遅まきながら納得する。

観覧車
[昼間は気が付かなかったけれど、夜になったら観覧車が夜空に浮かび上がっていた]

サトーのゾウさん
[懐かしい、子供のころこれに乗りたかった 10円玉を入れてまたがると木馬のように上下前後に動いたんだっけ]

(定山渓編へ続く)

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2泊4日北海道旅行 / 北投温泉月光荘
6月16日金曜日

午後1時過ぎまで仕事をして、大急ぎで帰宅する。
本日より月曜日まで短期間ながら札幌へ遊びに行く。
特に札幌へ行かなくてはならない理由はないけれど、いつも利用している中華航空の航空券代が手頃だったし、6月の札幌は陽気も良く、新緑も清々しそうに思って、年明け早々に航空券だけは買っておいた。

午後5時の飛行機に乗って、今日はひとまず台北まで飛び、明日の朝の飛行機で台北から札幌へ向かう予定。
このブログでは台北での乗り継ぎ一泊を中心に書いてみます。

ベランダのネコ
[ネコにはかわいそうですが留守番をしてもらいます]

台北までの飛行機は、5時5分の出発予定だけれども、少し遅延するらしい。
今晩は乗り継ぎ一泊だけだから、別に意足必要もないし、気分的には余裕であった。
それに、今回はマイレージを使って台北まではビジネスクラスにアップグレードしてある。
その先、台北から札幌の往復もジャンボの2階席、つまりエコノミーのサービスながら、ビジネスクラスのシートが使えるゆったり旅。

しかし、疑似ビジネスと違って、本物のビジネスクラスなので、バンコク空港での出国審査もプレミアレーンを利用できるので、出国審査でイライラしなくて済んだ。
中華航空のラウンジは今月から9月までの予定で改装工事らしく、代わりにCIPラウンジと言う、有料ラウンジの利用券を配られる。
いつもの中華航空ラウンジと比べて、サービスはどんなレベルだろうかと期待をしていたのだが、有料ラウンジと言うには、ずいぶんとお粗末な内容であった。
具体的には、食べ物と言ったら、チャーハンと焼きそばくらい、サンドウィッチも寂しい限りで、なんと食パンとトースターが置いてある。
時刻からして、ラウンジならアフターヌーンティーのサービスをしてても良さそうだったけれど、それらしいものは用意されていなかった。
アルコール類も、あるにはあるといった程度、ビールはタイ国産のシンハとチャーンのみ、ウイスキーはジョニーウォーカーの赤ラベル。
中華航空のラウンジの方が、内容的に上を行っていると感じた。
ラウンジを持っていない航空会社から流れてきた利用者が多いからだろうか、結構混んではいた。

ラウンジ券と優先出国審査券
[出国審査場のプレミアレーン券とCIPラウンジ券]

そんな不満を持ちながらも、カンパリソーダを飲み、チャーハンと焼きそばを食べる。
今回は、ビジネスクラスだから、機内食も美味しいものがいいただけるだろうと期待して、珍しく腹八分目にとどめておく。

搭乗開始のアナウンスがあって、ゲートへ向かう。
しかし、ゲートについてもまだ搭乗開始されていないのか、人があふれている。
私も待合室の奥に開いているシートを何とか見つけて、座ってしばらく待つ。
たぶん、中華航空のラウンジだったら、ちゃんと連絡が取れてて、実際に搭乗開始されてから呼び出しが来るものだっただろう。

5時半になって搭乗開始。
ビジネスクラスでもエアバスなので、荷物は頭上の棚の上に納めなくてはならない。
これが不便に感じる。
ジャンボの2階席なら、座席の横に蓋つきの大きな荷物入れがあるので、とても便利である。

乗り込んですぐに、ウェルカムドリンクを持ってきてくれた。
ビールを所望したけれど、アルコール類は離陸までお預けとのこと。
うーん、以前はウエルカムドリンクにシャンパンをいただいてたように思うけど、ルールが変わったのか、それともコストセーブなのだろうか、ひとまずオレンジジュースをいただく。
離陸したのは、それからさらに1時間待たされて6時半になってしまった。

オレンジジュースのウェルカムドリンク
[オレンジジュースでもナッツが付くことを発見]

やっと離陸
[太陽が西の空に沈もうとしたとき、ようやく飛び立ちました 遅延は一時間半ほどに]

台北までは4時間ほどのフライト。
どんなサービスかと期待していたけれど、4時間であってもバンコクから台北は短距離区間にでも位置づけられているのか、洗面道具などは配られなかった。
食事も、ワインリスト付のメニューこそ配られるが、出来合いの食事と言うか、料理を一人前ずつ取り分け、よそってくれるようなサービスはなかった。

機内食メニュー
[以前はエコノミーでもメニューを配っていたが、何時頃からなくなったんだろう]

注文した料理は、洋風の鶏肉料理。
鶏の胸肉のソテー、温野菜、マッシュポテトなど、あたたかい料理は一つの皿にまとめて盛り付けられ、冷菜の小鉢とガーリックブレッドが付いてきた。
ワインも注文したけれど、ワインより先にビールを持ってきてくれた。
さっき、乗り込んだ時に「ビールを所望した」ことを覚えていてくれたようだ。
ビールは台湾ビールの缶。
ワインもすっきりして美味しかった。

チキンがメインの機内食
[ガーリックブレッドが苦手である ガーリックをこそげ落として食べる]

味付けはおとなしく、特別どうと言うことはなかったが、鶏皮も柔らかく、なかなか切れなくて苦労することもなかった。
ボリューム的にはちょうどよかった。
最後にデザートには果物とハーゲンダッツアイスクリームが配られた。

デザートは果物とアイス
[数年前までよく利用していたキャセイ航空ではエコノミーでもハーゲンダッツだった気がする]

食後にはウイスキーをいただいた。
銘柄は台湾が誇るカバラン。
機内免税品販売でこの銘柄を以前買ったものの栓を開けずにまだアパートの棚に置いたままにしてある。
ウイスキーの品評会で入賞したとかいうウイスキーだそうで、何か機会があれば栓を抜こうと思っていたけれどいまだに機会を得ていない。
そんなカバランを機内でごちそうになることになった。

スコッチのーように少しスモーキーな感じがあるが、あと口にはフルーティーな感じもある。
品評会で入賞する味とは、こんな感じなのか、私にはその深みまではなかなか理解できない。
しっかりと2杯目もいただいてしまった。

機内のエンターテインメントでは、これと言って見たい映画もなかったので、音楽を聴く。
音楽と言っても歌謡曲で、「東洋金典」と紹介されているプログラムのなかに、キャンディーズが含まれていることを喜んで、イヤホンジャックを差し込んで聞き入る。南沙織、桜田淳子、山口百恵と続いてキャンディーズの「年下の男の子」を聞くことができた。
約2時間ほどのプログラムの中のたった一曲。
1970年代から最近までのヒット曲を集めたプログラムだったけれど、知っている歌謡曲は1980年代までで、1990年になると歌手の名前さえ分からなくなってしまった。
それでも、もう一回キャンディーズを聞きたいがために、プログラムを最後まで聞き、また初めに戻らせて2周目を聴いた。
来年でキャンディーズが解散して40年になる。

東洋金典
[こんなところでキャンディーズに出会えるととてもうれしい]

台北に到着したのは、出発が遅れたこともあり、夜11時を回っていた。
今夜は北投温泉で夜明かししよう、できれば月光荘と言う温泉旅館に泊まってみようと考えていたが、滑走路からターミナルへ向かう機窓から外を見ると土砂降り。
もう夜も遅いし、台北市内まで行けても、北投温泉までの公共交通機関が終わっているかもしれない。
雨が降る深夜の台北の街を徘徊するのも情けない。
そのくらいなら空港内で仮眠をとった方が無難かと思えた。

飛行機の扉が開き、ターミナルへ入ったところで、時刻は11時半。
空港内のWiFiに接続して、台北市内MRTの圓山駅から北投へ行く最終電車を調べたら、"23:42"となっていた。
あと1時間少々。
行きつけるかもしれない。
過去にも早朝のリムジンバスで台北市内まで30分少々で行った経験がある。

大急ぎで入国審査を抜け、バス乗り場へ。
ここまで5分とかかっていない。
台北市内行きのリムジンバス乗り場には長い行列ができている。
来たバスは満席と言うことで、大量の積み残しを置いて出発してしまった。
私は長い行列を見ただけで、こりゃ乗り切れないだろうと諦めて、他のルートのバスを探した。
23:45発の大有バスの台北行きがバス停に止まっている。
このバスが北投へ行くMRTの駅まで行くかわからないが、ひとまず市内へ向かえば道が開けるかもしれないと、バスに乗り込もうとしたら、「先に切符売り場で切符を買ってくるように」と言われる。
急いで切符売場へ行って「台北まで1枚」と言ったのだが、「台北のどこへ行くんだ?」と聞かれて困ってしまう。
そこで事情を話したら、次の23:50のバスで行けばよいと教えてもらう。

23:50のバスはいつもの南崁の街を抜けるローカルバスであった。
空港からすぐ高速道路に入るリムジンバスと違って、言ってみれば各駅停車である。
金曜日の夜、雨も降っているし、これで間に合うかは非常に心もとなくなってきた。

深夜と言うことで南崁の街に渋滞はなかったけれど、何か所もの赤信号の度に、秒針が無情に進んでいってしまう。
南崁の街を抜けて高速道路に入る。
ここまですでに30分近くかかっている。
高速道路も順調。
頭の中で「走れ、走れ、コータロー」とメロディーが流れてくる。
うん、あれは名曲だった。
23:35、高速道路を降りて台北の市街地に入る。
間に合うかもしれない。
雨は小降りになっている。
信号待ち、左折、停留所など、ハラハラしたがMRT圓山駅近くでバスを降りる。
23:40。
小雨降る中、駅まで走る。
横断歩道の歩行者用信号が赤いままだったけれど、信号無視して走ったおかげで最終電車に飛び乗ることができた。

金曜夜の最終電車、日本なら酔っ払いで満員なのだが、台北の最終電車に酔っ払いの姿は見られなかった。
車内も空いている。
硬いプラスチックの椅子に腰かけて一息つく。

MRT終電の車内
[終電の車内風景、日本とはだいぶ違うようだ]

北投駅で降りて、月光荘へ目指す。
宿はすぐに見つかった。
商店街の中にあり、狭い入り口など注意しなければ気が付かないだろう。
事実、前回北投温泉に来た時も、ここに温泉宿があるなど気が付かず素通りしていた。

月光荘
[上の看板をよく見なければ、ここが温泉旅館とは誰も気が付かないだろう]

月光荘は古い温泉旅社で、たぶん現存する北投の温泉宿としては最古ではないかと思われる。
ネットで北投の安宿を探していたら見つけたもので、調べてみるとなかなか興味深い旅館であった。
安宿ではあるが、源泉、しかも北投の青湯を引いている。
ネットの情報は古いものであったが、それによるとオーナーは日本の女学校を出て、教員をしていた人だそうで、何十年か前にこの旅館のオーナーになったと書かれていた。
もし、ご存命ならお会いしたいものだが、時刻は深夜1時を回っている。

狭い入り口から、奥へ入っていくと、椅子で宿のおばさんが仮眠をしていた。
恐縮ながら、明日の朝、4時半まで3時間ほど休憩をさせてほしいと伝える。
空室はあるとのことで、3時間の休憩なら450元とのこと。
もし、延長するなら時間当たり100元とも言う。
これで温泉に入っても良いというのだから、お得である。

案内された部屋は、共同の温泉浴室のすぐ隣。
部屋は「旅社」のイメージそのものの部屋ながら、エアコンもあるし、WiFiもある。
歯ブラシ、石鹸も用意されてて、これで温泉入り放題だから、うれしい。

月光荘の部屋
[旅社らしく雑然としているが、まずまずきれいな部屋だ]

薄型テレビやアメニティー
[安宿でもそろうものはそろっている]

共同の浴室も狭く、個室になっている。
浴槽は相当の年代物で、手足伸ばして入れるほどの大きさはない。
また、入浴ごとに湯を落とすことになっているのか、浴槽に湯は張られていなかった。
浴槽の栓は普通の栓とはまるで異なり、塩ビパイプであった。
大きくはない浴槽ではあったが、それでも温泉の湯を貯めるのには10分以上かかった。

個室式の温泉
[浴槽はかなりくたびれているが、様式バスタブなんかより、ずっと情緒があっていい]

せっかく貯まった源泉100パーセントの温泉ではあるが、北投の湯は成分が強いだけではなく、温度も熱く。
埋め湯をしなければ、湯の温度が下がるまであと一時間は待たなくてはならないだろう。
もったいないけど、水道水を流し込んで埋め湯をする。

塩ビパイプの風呂栓
[水面にニョッキリと飛び出したパイプが風呂の栓]

ではでは、入浴。
うーん、きつい。
埋め湯をして適温にしたはずだけれどもまだまだ熱い。
さらに泉質が過激なので肌を刺してくる感じがある。
皮膚病に効きそうだが、敏感肌ならアレルギー反応を起こすだろう。
お湯で顔を洗い、少し目に入っただけで、シャンプーの原液を垂らしたくらい沁みる。
口に入ると苦みがある。
身体を洗おうとタオルに石鹸をこすりつけてもちっとも泡立たない。
シャンプーなどハナから諦めた。
こんなちっぽけな安旅館で、こんな凄い温泉があるということに感動してしまう。
熱くて、チリチリと棘が刺さるみたいで痛くて、初心者の私には長湯はできなかった。
ほとんどカラスの行水みたいに部屋へ逃げ帰る。

石鹸は泡が立たない
[どんなに石鹸をこすりつけても泡は立たない]

目覚ましを4時過ぎにセットし、部屋の明かりを消して、ベッドにもぐりこむ。
まだ2時間近くは眠れそうだ。

しかし、チクチク、チクチクと顔の皮膚が痛痒い。
温泉成分を流さずに出てきたので、成分が肌に浸み込み、暴れているようだ。
チクチク、チリチリ、なんだかなかなか寝付けない。
顔だけでも水道水で洗っておくべきだったかもしれない。

それでも、寝入っていたのだろう。
携帯電話の目覚ましコールで目が覚めた。
さっさと支度を整えて、追加料金の100元がかからないよう退室の準備をする。
宿のおばさんはまだ寝込んでいた。

宿を出たのが午前4時半。
MRTの始発は6時からだけれど、台北市内へ向かうバスは午前5時前くらいから動き出すらしい。
バスに乗る前に、北投温泉では確認しておきたい場所がある。
北投最古の温泉場、「瀧乃湯」がどうなっているか気になっていた。
前回来たときは改装工事と言うことで長期休業に入っていた。
大正時代の木造建築で、いつ崩壊してもおかしくないくらいボロボロだったので、そのまま取り壊されてはしまいかと心配であった。

瀧之湯
[北投温泉最古の瀧之湯]

瀧之湯、ちゃんと再開してました。
まだ個室浴室が再開していないようだけど、建物も幾分きれいになった感じ。
来月また台湾に来る予定にしているので、そのとき瀧之湯にもう一度来てみたいと思う。
これだけちゃんとできていれば、あと何十年かは営業を続けてくれそうだ。
それにそろそろ開業100周年を迎えるのではないだろうか。

瀧之湯営業再開
[日本にも瀧之湯ファンが多いので、みんな再開を喜んでいることでしょう]

台北市内へ向かう市内バス218番は5時前にやって来た。
こんな早い時間からバスが動いてくれてて助かる。
これで市内へ出て、民権西路あたりから空港へ行くバスを拾う予定。
そとが少しずつ明るくなってくる。
土曜日の早朝だからか、乗り降りする人は年配者が多い。
年寄りは朝が早いからなのだろうか。

早朝の市内バス車内風景
[日本なら土曜のこの時間、朝練に向かう中高生が乗り合わせてきそうだが、台北では見かけない]

基隆河を渡り台北市内へ入って、どのあたりで降りたらよいだろうかと思っているうちに土曜の早朝で交通量も少ないものだからバスは中山北路をどんどん南下して、気が付いたら国賓大飯店の前まで来てしまっていた。
おやおや、これは失敗と慌ててバスから降りて、中山北路を北へ戻る。
時刻は5時半。
西洋人の若いグループがふざけあいながら歩道を歩いている。
朝からテンションが高いのか、それとも朝帰りなんだろうか。

しばらく歩いて民権西路にたどり着く。
空港行きのバスが何時に来るのかわからないが、バス停でしばらく待っても空港行き以外のバスもまったくやってこない。
反対方向へ向かうバスは時々来ているから、そのうち来そうだけど、早く来ないものかと気になる。
そろそろ6時になろうとしたとき、来るときと同じ大有バスがやって来た。

(札幌編へ続く)

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