旧チェンマイ通信のページへようこそ。 (2001年から2004年まで、3年半の記録)

このページ「チェンマイ通信」はIIJ4Uサービスのホームページ機能が2016年3月31日(木)をもって終了した関係で、chiangmaikk.comのサーバへ引っ越ししてきました。設定不備もあるかと思います。

 

HPご意見メール

5月23日 水曜日

朝はもう4時過ぎくらいから人の話し声が聞こえてきて、5時になると廊下の掃除を始めたようだ。しかし、昨夜は良く眠れなかった。外からの騒音も凄いし、そして久々に身体が痒くなるベッドで寝たものだから、なかなか寝付けなかった。

8時ちょうどに宿を出て、メナム川(メーナーム・チャオプラヤー)の岸辺へ向かう。今日はノンタブリーで仕事の打ち合わせがある。ノンタブリーはバンコクの北のはずれにあたり、この時間帯にバスで向かうと渋滞に巻き込まれどれほど時間がかかるか判らない。そこで、渋滞の影響を受けない水上バスでノンタブリまで行こうと考えた。地図を見るとバンコク駅の南へ少し行ったところに港湾庁があり、そこに水上バスが止まる印がついている。これは好都合と歩いてみるが、地図に描かれているように近くは無く、結局下町のようなところを二十分ほど歩き漸くメナムの川岸にある港湾庁へ辿り着いた。
しかし、水上バスは川の中心を行きすぎるばかりで、ちっともこの桟橋に立ち寄ってくれない。港湾庁の制服を着た若い男性にここは水上バスのバス停ではないのかと正したところ、各駅停車の水上バスしか止まらないとのこと、ノンタブリへ行くのなら、急行水上バスに乗るべきだが、ここには止まらず、ラーチャウォンで乗換えられるそうだ。しかたなくしばらく待つと各駅停車の水上バスが来た。 車掌(船でも車掌で良いのか知らん)にラーチャウォンと告げて6バーツを支払う。
摩天楼のような高層ビルの林(といっても閑散林の部類か)やインドのベナレスを思わせる古い家屋の密集した岸辺を眺めながら船は進む。暁の寺で有名なワットアルンなどを過ぎたあたりで、車掌がラーチャウォンじゃないのか?などと聞いてくる。そうだと告げると、ラーチャウォンはもう過ぎたらしい。急行水上バスに乗換えたい旨を告げると、「ならターチャーンで乗換えろ」とおっしゃり、載り越し運賃の事など何も言ってこない。
ターチャーンは王宮近くにある桟橋で、待つことしばしで赤い旗を立てた急行水上バスが来た。なるほど船なのでスピードの違いといったものは内容だが、停留所をスキップしていくので、確かに各駅停車より断然早い。船は桟橋につけるだけで結構時間を食うものだ。

ノンタブリーの桟橋で降りて、そば屋に入り細麺のうどんを食べる。ここから東芝の工場に向かったところだと言うので90番の路線バスに乗って相手先へ向かう。今度は車掌が東芝工場の見えたところで教えてくれたので、無事にほぼ約束の10時にはお伺いする事ができた。

結局ノンタブリーでは一時近くまで話し合いをし、再び市内へは32番のバスに乗って向かった。この32番のバスは寝釈迦仏で有名なワットポーの裏まで走り、私は市場などがつづく路地を抜け、途中でチャーハンの昼食をとり、中華街の入り口から再びバスに乗り中央駅へ向かう。今日乗るのは15:00発の快速列車だが、中央駅に辿り着いたのは発車の1分前であった。指定された車両は運良く最後尾(中央駅は櫛型にホームが並び、最後尾側に改札がある)であったので、デッキに跳びつくと同時に、駅員の鳴らす鐘の音とともに動きはじめた。

指定された席に落ち着き、改めて車内を見渡すと、あきれるくらいオンボロの車両で、多分日本が大昔に輸出したものだろうと想像がつくが、何十年も修繕もせずほっとくとこうなるのかといった感じの車両であった。もちろんエアコンも無く、この車両以外はすべて座席車、つまり寝台車はこの車両のみ、またほとんどが3等車だけで構成されていると言った落ちぶれ方である。しかし、トイレではチョロチョロ程度ながらシャワーから水が出たので、急いでシャワーを浴びる。ぼやぼやしているとタンクの水が底をつき、水浴びができなくなりそうだった。

バンコク市外を抜けて田んぼのつづく平原に出たところで、予ねて準備のメコンウイスキーの小瓶を取りだし、車内販売のボーイに座席前へテーブルを設えさせ、氷とグラス、そしてソーダ水、さらにつまみに鶏とカシューナッツの炒め物を持ってこさせて、窓から吹き込む風を楽しみながら、ソーダ割りをなめる。うまい。タイの列車の旅はやはりこれでなくちゃ。平原の中をまっすぐに北へ伸びる線路を快調に走り、スピードが落ちたかと思えば、大小の駅に止まり、物売りが乗り込み、手にかざされた売り物を見てはつまみになりそうだと思えば購入し、またソーダ割りをしゃぶる。

6時半にはボトルの半分を開けて、また小さな、子供が砂場で使うようなバケツ一杯もらった氷も暑さで水となり、ほろ酔い気分になったところで、ボーイが夕食を運んできた。いつものバジル炒めで、値段は75バーツだが、この列車ではスープが付かないようだ。まぁ、もう水物も欲しくないので、細かな事は考えずに、食事を済ませ、7時半には寝台係にベッドを設えてもらい、ベッドに横になる。外からの風も楽しみたいので、わざわざ寝台係が、網戸にしてくれたものを開けて、窓を半分くらい開けながら本を読む。窓外の暗闇の中に明かりが見えてくると本を閉じて、近づいてくる町を窓から眺める。しかし、夜9時には、どうやら眠り込んだらしい。
よる12時頃、身体のあちこちが痒い。昨夜の痒さではなく、蚊に刺された痒さだ。どうやら窓を開けたままで入るし、駅に止まるしで、外から蚊たちが大挙進入してきたらしい。これでは堪らず、窓を閉め、蚊を一匹ずつ撃退し、プーンという蚊の羽音が聞こえなくなったのを確認して(といっても列車の走行音で羽音などほとんど聞き分けられなかったが)、再び目を閉じた。

 

前日へ  翌日へ

 


メオダムきまぐれ日記
(2015年5月からのブログ)

チェンマイ帰り就活日記

求む!ピョン子の情報