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11月17日 土曜日

ノンストップで夜通し走っていると思っていたバスは、意外や結構あちこちで停車していた。ナコンサワンのバスターミナルにも立ち寄っていたし、路肩に止まってなにやら点検したりしていた。それでもバンコクのはずれ、ドンムアン空港には5時に着いてしまうのだから、先月私たち家族がチンタラとビートルで走ってきたのとは速さが全然違う。

夜明け前の空港はまだ人影も少なく、開いているカウンターもほとんどないので目立つのかもしれないが、自動小銃を持った小隊が何組か出発ロビーを歩き回っていた。多分警備巡回と思われるが、装備こそ物々しいが、隊員の表情は穏やかで、むしろ夜勤明けの宿直のような顔をしていた。

搭乗手続きも簡単に終わり、出国カウンターに並ぶ。係官はなにやら女子職員が持ち込んだお菓子のようなものを食べながらパスポートの照合などをしている。「私には食べさせてくれないのか」と聞くと、手のひらにそのお菓子を分けてくれた。乾燥ドリアンだそうだ。乾燥しているのでドリアン特有の臭いはないが、味はなんとなくドリアンを思い起こさせる。私が「ほんとだドリアンだねぇ」と言うと、顔をほころばせて喜んだ。「少し持っていかないか」と進められたが、果たして乾燥ドリアンを機内持込できるのかわからなかったので遠慮した。

今回もキャセイ航空で香港乗り継ぎである。機内はほぼ満席で、私の隣には大柄の白人青年が座った。そして、ご丁寧に自分はカナダの学生だと自己紹介までしてくる。こっちは昨夜はバスに揺られ、おまけに寝不足なので、英語で話し掛けられるのが鬱陶しい。適当にあしらおうかと思って、彼が話し掛けられるがままにしておいたら、ビルマ生まれで、ビルマが好きだ。今回は商談のビルマ語通訳として呼ばれた。などと言う。どうやらちょっと毛色の変わった青年だ。そして最近のビルマ事情について話してくれ、そして国籍はカナダだがユーゴスラビア系だと言う。カナダはビクトリア大学で学んでおり、学生ながらビジネスもしている。日本食ではチラシ寿司が一番で、バンコクの寿司はまずくて高いが、カナダのはネタが新鮮で旨いし安い、シーフードと言えば、ビルマの海ではダイビングで魚やエビを捕らえて、ホテルで料理させるが、これがまた旨いんだなどと、もう話しが止まらないらしい。彼は数年前までユーゴスラビアのパスポートを持っていたそうで、その時は旅行するときに苦労をしたと言う。どこの国でも厳しくチェックされ、大変だったが、今はカナダのパスポートを持っているから楽になったと言うので、「カナダのパスポートはアメリカのパスポートよりも便利だよなぁ、アメリカのパスポートじゃ怖くて夜道歩けないもんね」と言ってやったら。手を打ってそうだそうだと言う。彼の母国はさんざんアメリカに空爆されて、ひどい目にあってきたからか、それともカナダ人一般が抱いているアンチ・アメリカ気質からか、彼も相当のアメリカ嫌いらしい。こういう青年とは肌の色を越えて馬が合う。「アメリカで使われている聖書はなんだ?・・答えはハムラビ法典さ、、だって目には眼を、だろ」とジョークも冴えている。「カナダ人は平和を愛するが、アメリカ人は戦争を愛している」「この間のアメリカン航空の墜落は事故って言ってるけどテロだぜ、やつらまたテロにやられたって言ったら面子つぶれるから、事故ってことにしてんだ」2人してアメリカをさんざんコケにしているうちに香港に着いた。彼はこれからバンクーバー行きに乗換えだそうだ。

乗り継ぎ時間は3時間ある。とりあえず香港に入国してみようと思う。しかし、ポケットには香港ドルが15ドルしかない。日本円にして200円ちょっとだろうか、、。パスポートに香港入国スタンプをもらって、到着ロビーに出てみるが、これと言って行くあても無い。ロビー内にマクドナルドがあり、そこなら15ドルでも何か食べられそうだが、それではあまりに味気ない。それにさっきあれだけアメリカをコケにして「生命保険に入る条件にマクドナルドに出入りしない事って言う条項がついたそうだ。テロに狙われやすいからね」なんて冗談を言ったばかりだから、どの面下げても飛び込めそうにない。とりあえず、前回同様岸壁に向かって歩き出した。15ドルじゃバスにも乗れない。仮に乗ったら帰りの運賃が無い。観光バスの並ぶ駐車場を突っ切り、空港埋立地のはずれで海に出た。浜辺は無く、護岸岸壁が続くだけだが、何人かが釣り糸をたれていた。海の色は深緑色で、小魚が泳いでいるのが見える。岸壁に座って吊り人を見ていると、大きなウツボがかかったようで、吊り人夫婦が引き上げていた。

穏やかな海を眺め、ガソリンスタンド併設のコンビニでカップラーメンをすすって、空港ターミナルへ戻る。ターミナルには日本人が沢山いるようであちこちから日本語が聞こえてくる。東京行きの飛行機の中も日本人が多く、スチュワーデス3人のうち2人が日本人であった。しかし、その日本人スチュワーデスは他の乗客には日本語で話し掛けているのに、私には英語でメニューの注文をとる。悔しいので中国語で応対したら香港人スチュワーデスを連れてきた。私はいったい何人に見えるのだろう。

夜遅くに大泉の家に立ち寄り、友人と話し込む。どうやら以前の会社は秒読み段階に入ったようだ。そして、彼も今度今年二度目の転職をするらしい。12時過ぎまで話し込んでしまった。

 

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(2015年5月からのブログ)

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