12月13日 木曜日

今日はちょっと忙しい1日になる。朝、優泰を学校に送った後、そのままSさんたちの泊まっているホテルへ向かう。そして、メーピン川に近い古いスーパーカブを扱う店へ案内する。しかし、スーパーカブ屋は朝寝坊なのか8時を過ぎてもまだ店開きをしていない。イタリアの古いスクーターであるベスパの店などはとっくに店開きをして店先にスクーターを並べてあると言うのに。Sさんの奥さんはWebの掲示板で「古いベスパの店を捜している」と書き込みをしていたが、奥さんがベスパ好きというわけではなく、あくまでもご主人側の趣味であり、そのご主人も興味の対象の大半がスーパーカブとのこと。ベスパは先日40年以上前の古いものを入手したばかりと言う。従って、チェンマイ市内のあちこちにあるベスパ屋は素通りする事となった。スーパーカブ屋はSさん夫妻に後でまた来て見てもらう事とし、私は一旦アパートへ引き上げる。今日はお母さんをダンス教室に送る事になっており、10時少し前にビートルでダンス教室へ送り込む。まだ、体の具合がすぐれない様なので、身体は動かさずに見学をするという。また、ダンス教室も今日で一旦終わりにして、しばらく休むと宣言していた。

私は10時からYMCAでの英語である。今日は午前中だけでなく、午後3時まで授業が延長される。そして、授業のスピードがやたらと速い。はじめに動詞の過去形と過去分詞形のテストがあった。こんなテストは中学生以来だが、書きながらいくつかはっきりしないものが出てきたし、明らかに間違えたものもあった。

授業は3時までだが、昼休みはあり、12時から1時までが休み時間である。私は一旦アパートへ戻って昼食を食べる事とする。優泰の弁当用に買った調理パンの残りと即席ラーメンを食べることにする。即席ラーメンはストックしてあるマーマーブランドの豚挽き肉味は少し飽きたので、隣の雑貨屋からトムヤム味のものをひとつ買ってきて食べた。お母さんのダンス教室は11時までだから、もう戻ってきていて良いはずだが、まだ戻ってきておらず、私がラーメンを食べ終わった頃に帰ってきた。お母さんは昨夜の残りのパッタイなどを食べると言う。

1時に授業再開。先生は読本のスピードを早めるために、英文を一通り読んでから、タイ語に訳して終わりとして次ぎに進むから、スピードは確かに速いが、しかし、大事な言い回しや、文法がなかなか頭に入らない。そして、タイ語訳してくれるものも、早口となり、これもなかなか聞き取れない。まぁ、タイ語はそろそろスピードにも馴れていかないといけないと思っていたところだから、仕方ないのだが、、。タイの人たちはノンビリしている様だが、結構早口である。ゆっくり話してくれと言っても、すぐに早口になってしまう。レッスンの様に単語を区切りながらの発音もしてくれないから、耳はほとんど塞がれたようなものだ。

授業は3時までだが、私は優泰の迎えがあるので、2時20分に失礼させてもらう。優泰を学校に迎え、そのままSさんたちが泊まっているホテルへ向かい、アパートで優泰だけを降ろす。午後からSさんの奥さんが食べるのを楽しみにしていたと言うクンテンを食べにホアイドンタウの池へ行くことにしていた。クンテンと言うのは池で取れた2センチほどの小さくて透明なエビを生きたまま食べるもので、ちょっとエビたちにはかわいそうだが、生きたまま唐辛子などの調味料に和えられている。小さなどんぶり上のものに入れられ、飛び跳ねて逃げない様にフタがしてあるが、器の中の唐辛子地獄でエビたちが跳ね回りながら苦しんでいる音が聞こえる。ホアイドンタウは以前優泰やお母さんとボートに乗りに来た所だが、その時はここの名物であるクンテンを食べなかった。注文してもどうせお母さんや優泰が食べるとは思えなかったからだ。

ホアイドンタウは長閑な午後であった。何組かのタイ人グループが湖畔で飲み食いしたり、ゴザに寝そべったり、水際で水遊びをしていた。池に飛び込んで泳いでいる人もいる。そして、驚いた事に、制服姿の女学生たちが車のタイヤチュープの浮き輪に3、4人で乗って池に入ってはしゃいでいる。当然スカートも水で濡れてしまっているが、少しも気にしているところが無い。そして、浮き輪から落ちて全身ずぶ濡れになったりもしている。日も西に傾き、吹いている風が冷たくなってきたが、いったい彼女たちはどのように帰るのだろうか、多分モーターバイクに乗ってきただろうに、風邪でも引くのではないかと心配になったが、見ている限りでは至ってほのぼのとしている。

クンテンのほかにもラープと言う内臓肉とハーブ類を唐辛子で和えたもの(私の最も不得意とする料理です)や、グリーンパパイヤサラダのソムタムそしてガイヤーンと言う焼き鳥を食べる。Sさんたちはシンハビールを飲み、私はコーラを飲んだ。ここで出されるものはイサーンと呼ばれるタイ東北地方の料理で、辛い事で有名な料理だ。Sさんたちもヒィーヒィー言いながら食べていた。

6時にはお母さんや優泰に夕食を食べさせなくてはいけないので、私は一旦アパートへ引き上げて、8時前に再びホテルへ迎えに行くことにした。今晩の夕食も小屋がけ食堂のメニューである。今日はカボチャがあると言うので、カボチャの炒め物を作ってもらう。そして五目野菜炒めも。食後に優泰にせがまれて隣の雑貨屋へアイスキャンディーを買いに行く。このところ毎日のようにアイスキャンディーを買いに来るものだから、店の人たちにもすっかり顔なじみになったらしく、店の奥に優泰は入ったままなかなか出てこない。いったいどのような会話をしているのだろうか、、。私は店の前のベンチに座り、店の猫とじゃれ合いながら優泰を待ったが、話しが弾んでいるのか、店から出てこない。Sさんたちとの待ち合わせ時間もあるので、優泰を店に残してホテルへ向かう。

本当はチェンマイの夜景をドイステープの山からSさんたちに見せたいと思っていたのだが、登山道の手前の検問で追い返されてしまった。粘ったが、先へいれてもらえなかった。検問を張っていたのは警察ではなく迷彩服を着た兵隊さんであったから、融通が利かなかったのかもしれない。しかたなく、夕食が未だだと言うSさんたちをアパートの前のコカへ案内してタイスキを食べる。私もビートルを降りてビールを飲む。メコンウイスキーのソーダ、リポビタン割りも飲む。だいぶ飲んだし、酔いも回っているのだが、酒飲みと言うのは、こう言うときにハシゴをしたくなるもので、止せば良いのに地元の若者相手のバーに入る。店内は満席の盛況で、私たちは奥のカウンターに座った。バーと言っても地元の若者相手の店なので、本格的なカクテルや高級洋酒などは無く、あるのはタイのウイスキーや米焼酎である。ここで一杯ずつ飲んで今日はお開きとする。時刻も12時になっていた。Sさんたちには恐縮ながら、ホテルまでは乗合ピックアップトラックに乗って帰ってもらう。

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