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不便さNo.1 タイ国鉄スパンブリー線
8月20日 土曜日

タイの鉄道路線の中で気になっていた路線があった。
タイ国鉄スパンブリー線と言ってバンコクから比較的近い路線で、乗車体験してみたいと以前から思っていた。
しかし、近くてもとても不便な運行スケジュールのため、今日まで乗る機会がなかった。
もっとも、その不便さが気になる理由でもあった。

どのように不便かと言うと、このスパンブリー線は1日1往復しか走っていない。
しかも発着スケジュールもバンコク発が夕刻で、終点のスパンブリー着が夜8時過ぎ。
戻りはスパンブリー発午前4時台。
こんなスケジュールではバンコクから近いといっても日帰りができない。

でも、考えてみればスパンブリーに一泊すると決心してしまえば、夕方に出て、翌日の午前中には戻って来れるわけで、小旅行と思えば気軽なものである。

このところ仕事が忙しくて、早朝から深夜まで働き詰めで、寝不足気味。
昨晩も帰りが遅くなった。
週末の午前中は運動をすることにしているが、今朝は起きることができず、昼過ぎまでベッドから抜け出せずにいた。
ようやく空腹で起き出し、チャーハンを作って食べる。
洗濯機も回す。
でも、時間が中途半端。このままではまたベッドに戻って昼寝をしてしまいそうだ。
せっかくめったにない土日2日続けての休みを無駄にしてしまいそうだ。
そう考えていたところ、スパンブリー線のことを思い出して、午後4時過ぎにアパートを出る。

171番のバスに乗って戦勝記念塔を過ぎて下車、少し歩いてラマティボディ病院前駅へ。
ラマティボディ病院駅前と言うのは無人駅で、停留所扱い。
線路わきに簡易なホームらしきものがあるだけだが、すぐ隣に大理石の瀟洒な駅がある。
この瀟洒な駅はタイ王室専用の駅で、駅前には警備兵が午睡の最中であった。
また、ひんやりとでもしているのだろう大理石のホームにも犬が昼寝をしていた。

ラマティボディ病院前無人駅
[ラマティボディ病院前無人駅]

王室専用駅
[王室専用駅 本線上にこんな駅を設置して、王室が利用されるときは一般の列車は運休するしかないのではないだろうか]

5時少し前、4両編成のディーゼルカーがやってくる。
乗車率は50%くらいだろうか。
無人駅から乗り込んだので、切符は持っていない。
走りだしてしばらくすると車内検札が回ってきたので「スパンブリーまで」と言うと、30バーツ分の清算補助券のようなものを渡された。
しかし、代金の請求はなし。
どうやら無料で乗れるらしい。
駅の窓口で切符を買う際に、タイ人は身分証を提示すれば3等車が無料になるが、身分証を持たない外国人は正規の切符代を請求される。
もっとも、タイの鉄道運賃はもう20年くらい値上げされていないので、嘘のように安い。
その安い切符代すら、今回免除されてしまったようだ。

スパンブリー行
[これが1日一本のスパンブリー行き列車]

車内清算補助券
[車内清算補助券 10バーツが3枚、しかし無料 何のための清算券なのだろう]

しばらく北上してバンスー駅へ。
バンスーは北へ向かう路線と南へ向かう路線の分岐点で、以前は大きな操車場があり、車庫や整備工場があったが、現在は大規模な再開発が行われていた。
そのうち現在のバンコク中央駅(フアランポーン)からこのバンスーに鉄道の始発駅を変更する計画らしく、このための工事らしいが、かなり大規模である。
しかし、バンコクのはずれに鉄道駅の始発駅が移転するなど、利用者にとっては不便な気がする。
こんな大規模な工事をするより、バンコク市内の鉄道路線を高架にしたり、他の交通機関との接続を良くするとかやるべきことは他にあるように思うが、何か新しいものを作るということが、優先されてしまうのがタイの流儀のようである。

バンスー再開発
[バンスーの再開発工事現場]

バンスーを出て西へ進路を変え、先日開通した新しい電車路線、パープルラインが見えてきた。
日本の電車システムを初めて取り入れた路線としてニュースでも盛んに報道されていたが、このパープルラインも、作ることが優先で、利用者の利便性を完全に無視しているようで、驚くべきことに、既存の地下鉄などとは一切接続していない。
しかも、バンコクの郊外、バーンブアトーンあたりから、バンスー駅の手前1キロくらいまでを結んでいる。
こんな郊外だけを走っている電車では通勤通学の足にはならないだろう。
電車のシステムは日本製であったとしても、交通機関としてもっとも大切な「交通システムの連携」に関することは輸入しなかったようだ。

チャオプラヤー川を渡り、タリンチャン、サラヤーと過ぎていく。
途中駅から乗ってくる人もあれば、降りる人もいる。
が、降りる人の方が少し多いようで、車内は乗車率が30%を切ったようだ。
以前このあたりは水郷地帯だったのだが、もう田んぼすら少なくなってきている。

タイの汽車に乗ると、いろいろな食べ物や飲み物を売る商売人が盛んに通路を行き来したものだが、最近はそんな車内販売などはやらないのか、なにも売りに来ない。
駅のホームでも売り子の姿を見かけなくなった。

ナコンパトムの駅を過ぎ、ノーンプラドックには6時半に到着。
このノーンプラドックまではずっとタイの南本線の上を走ってきたわけで、スパンブリー線自体はここノーンプラドックからスパンブリーまでを結んでいる。
そしてここからが1日たった1往復の路線と言うことになる。

ノーンプラドック駅
[ノーンプラドック駅 スパンブリー線の分岐駅]

ノーンプラドックはスパンブリー線の分岐駅であるが、泰緬鉄道の分岐駅としての方が有名である。駅にも泰緬鉄道の起点としての日本語とタイ語で彫り込まれた石のモニュメントがあるが、スパンブリー線の起点としてのモニュメントは何もない。

スパンブリー線分岐
[ノーンプラドックを出て、本線から分岐していく]

ノーンプラドックを出た段階で、もう車内に乗客は数人しか乗っていない。
こんな低い乗車率なのにディゼルカーを4両もつなげて走るなんてもったいない気がする。
暮色もだんだんと濃くなってきた。
1日たったの1往復だし、最低の閑散路線だから、線路の保線状態も最低で、ひどく揺れるだろうと覚悟していた。
しかも、3等車のシートにはクッションのない硬いプラスチック製だ。
どんなことになるだろうかと思っていたが、意外なことに揺れはほとんど気にならない。
保線状況は随分と良いらしい。
先にも書いたが、タイ人は無料で乗れる3等車が、1日1往復するだけで、地元の人ですらよほどスケジュールの都合が合わなければ利用困難なこのスパンブリー線、毎日の乗車券の売り上げはほぼゼロのはずだろうから赤字ローカル線どころの話ではない。
たぶん廃止しても沿線住民への影響もほとんどなさそうなのに、どうして運行を続けているのか不思議に思う。
それも、手間と費用の掛かる保線作業もしっかりしているなんて。

もう車内はガラガラ
[もう車内はガラガラ]

線路の状態はよく、単線であっても1日一本しか走らないので、他の列車と衝突する危険性はないので、スピードを出して走っても問題なさそうなのだが、踏切のたびに一時停車をする。
タイで車は踏切があっても一時停車して安全確認をしてから渡るという習慣がない。
踏切でスピードを落とさない車だって一般的である。
そのため踏切事故は多い。
ましてこのスパンブリー線など、めったに列車が走ってこないわけだから、踏切を渡る車にしたところで、まさか列車が来るとは思っていないだろう。
そこで、踏切では列車の方が一時停車して安全確認をしているらしい。

踏切一旦停止
[踏切では一旦停止 警笛鳴らして、車が止まるのを確認してから通過します]

すっかり暗くなってしまったが、スパンブリー線にも途中にいくつもの駅があり、ときどき停車して、たまに下車する人がいる。
いずれも無人駅で、明かりもなければホームもない。
駅前と言っても、サトウキビ畑の真ん中で、真っ暗である。車掌が降りる人の足元を懐中電灯で照らしてやっている。
途中駅から乗り込んでくるお客はいない。
また、誰一人として乗り降りする人のいない駅の方が多いくらいだ。

8時20分、スパンブリー駅到着。
この駅にはちゃんと駅舎があり、明かりも灯っているし、ホームもあるが、ここまで乗り通してくる客はほとんどおらず、下車した客は数人だけであった。

スパンブリー駅到着
[終点、スパンブリー駅到着]

私はこのスパンブリー線はスパンブリーの先にももう一つ駅があるとの情報を得ていた。
時刻表にも載っていないが、「終点、スパンブリーに着いたよ」と告げに来た車掌に確認を取ってみると、「終点の次駅まで行くのか」と言う。
終点の次の駅なんてのは変な話だが、しかし、実際次の駅まで行くらしい。
Google Mapの航空写真でも、線路が1キロほど続いている。

スパンブリーの駅からは車内清掃をするスタッフが一斉に乗り込んできて、掃除を始めた。
終点の次の駅も真っ暗でホームのない無人駅であった。
やはり車掌が懐中電灯で足元を照らしてくれる。
この終点の次の駅で降りたのは私一人だけであった。
車掌は、どうして私が日本人だと分かったのか知らないが「さよなら」と日本語で声をかけてくれた。

真っ暗な無人駅だけれど草に埋もれた駅名表はあり「マーライメーン」と駅の名前が書かれていた。
駅は真っ暗だったが、すぐ先に大きな幹線道路が走っており、明るい街灯もある。
この終点の次の駅で、明日の朝4時すぎまで列車を係留するのかと思っていたら、私を降ろした列車はまた終点のスパンブリーへ向かってバックしていった。

マーライメーン無人駅
[マーライメーン無人駅]

駅前は幹線道路
[駅前は幹線道路]

さて、明日の朝までどうしたものか、できるものなら今晩中にバンコクへ帰りたい。
距離にして100キロほど、車なら1時間半くらいで帰れるだろうし、時刻はまだ8時半。
まずは、スパンブリーの街まで夜道を3キロほどとぼとぼと歩く。

しかし、市内中心部のバンコク行き乗り合いバンの発着所に行ったら、最終の乗り合いバンは夜8時に出てしまったから、もしバンコクへ行きたかったら貸切だよと言われてしまう。
大金はたいて貸切らなくてはならないほどバンコクへ戻らなくてはならない理由もないので、今晩はスパンブリーに泊まることにした。

バンハーン・タワー
[ターチン川の橋の上からスパンブリーのシンボル、バンハーン・タワーが見えた]

なかなか手頃な宿が見つからず、随分と歩き回り、街外れのバスターミナル近くで格安の旅社を見つけてエアコンなしの部屋に230バーツで泊まる。
古ぼけて、埃が積もっていそうな、如何にもシナ宿と言った感じの旅社だが、スタッフは親切そうだし、ネコを何匹も飼っているらしい。

宿近くの食堂で夕食。
タイ飯屋なのだが、洋風のメニューが随分と充実しており、しかも洋風メニューとしては安い値段だった。
しかし、せっかくタイ飯屋に来たのだからとタイ料理を注文。
ビール一本と料理2皿で240バーツであった。




8月21日 日曜日

旅社
[スパンブリーで泊まった旅社]

旅社のネコ
[旅社のネコ]

翌朝、宿前のバスターミナルからバンコク行きの乗り合いバンに乗る。
スパンブリーを出た時は空席もあったが、途中でどんどんと客を拾う。
満席になってもまだ詰め込む。
通路と言えないくらい狭い隙間に立つ人が何人もいる。
立つといっても体をかがめないと立っていられないから、相当きつそうだ。
バン1台に20人くらい載せている。

バンコクまではアントン、アユタヤと経由して走り、結局2時間半もかかった。
運賃は120バーツ也。

スパンブリーはタイ政界のドンとも言われたバンハーン国民党党首の出身地であったが、そのバンハーン氏も先日鬼籍入りされてしまった。
もし国鉄スパンブリー線がバンハーン氏のメンツで走っていたとしたら、もう存在意義がなくなっているかもしれない。

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