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スズメの子と過ごした3日間
4月26日 (水)
前の日曜日の朝、市場へ行った帰り道でスズメのヒナが道端に落ちているのを発見。
まだ裸ん坊のとても小さなスズメだった。
まだ巣立ちの練習とかできそうもなく、きっと巣から転げ落ちたのだろう。
朝から30度を超える気温と強烈な日差しに焼かれて、かなり衰弱している。
目はつむったままで、声も出さないが、お腹が膨らんだり凹んだりしていて、呼吸をしているから生きてはいるらしい。
急いで下宿の部屋へ連れて帰る。
まずは水分を取らせなくてはと、閉じているクチバシをこじ開けて、水に浸した箸の先をクチバシに当てる。
クチバシが動き、水を飲んでいるのがわかる。
立て続けになんども水を飲ませているうちにスズメの子は少し正気を取り戻してきたようで、目も開くようになった。
少し休ませてから、こんどは良く熟したマンゴーをとても小さく刻んだものを食べさせる。
自分からは食べようとしないので、またクチバシをこじ開けて、口の奥へとマンゴーを詰め込み、こんどはクチバシを閉じさせて呑み込ませる。

20年前にチェンマイにいた時も小鳥のヒナを助けたことがある。
あの時は、すぐに獣医のところへ連れて行って、エサなどについて助言を受けた。
あの小鳥はハイイロモリツバメという種類で、スズメよりも一回り大きかった。
今回はネットでスズメのヒナに食べさせるべきものを調べたら「青虫」が良いと書かれていた。
さっそく外へ青虫探しに出る。
タイは一年中夏で、年間を通じて虫には悩まされ続けているので、青虫くらいたくさんいるだろうと思ったのだけれど、いざ探してみるとちっとも見つからない。
日本だったらキャベツ畑とんへ行けば見つかるけれど、ピサヌロークの下宿周辺には野菜畑などまるでない。
桑の実があったので、一つ失敬している。

仕方なしに近所のペットショップへ行って店員に相談してみる。
勧められたのは九官鳥用のエサで、これを磨り潰してお湯に溶いて食べさせるといいと言われ、一袋購入。
それとミルウォームという幼虫。
これは生餌。

ミルウォーム
[ミルウォーム]

ミルウォームは20年前のハイイロモリツバメの時にもお世話になった。あの子はこのミルウォームを見ただけで、これでもかってくらいに黄色い口を大きく開いて食べさせろとねだっていた。
しかし、このスズメの子はミルウォームに全く関心を示さない。
青虫がダメなら、ミルウォームだっておんなじ幼虫だし、これを食べさせれば元気になるだろうと、ちょっとかわいそうだけれどクチバシを強引に開いて奥の方へ押し込む。
しかし、ミルウォームも生きているので果敢に脱出を試み、クチバシの隙間から逃げ出してしまう。
それにミルウォームを丸呑みするにはスズメが小さすぎるようだ。
ミルウォームを半分に切ってしまう。
こうすれば、ミルウォームも動きが止まってしまうのでクチバシの奥に放り込んでも逃げられず、スズメの子はそのまま呑み込んでくれる。
苦労して5匹ほど呑み込ませ、桑の実も少しちぎって呑み込ませる。

初日のスズメ
[まだあんまり元気がない]

こんなことをだいたい1時間おきくらいに夕方くらいまで繰り返していた。
そして、何度目だろうか、無理やり食べさせているうちに初めてフンをした。
そして小さな声だけれど、チッチと鳴き声を上げるようになった。
でも、まだぐったりしていて、起き上がることができずにいる。

ネズミを捕まえてきたネコ
[夜、下宿のネコ(ブラウニー)がネズミを捕まえて咥えていた]

翌朝、水を飲ませ、ミルウォームも強制的に食べさせる。
食べる量も、一度に10匹近く食べれるようになった。
クチバシをこじ開ける時、スズメが嫌がって口を閉じようとするのだけれど、心なしかその閉じようとする力が強くなっている気がする。
鳴き声もスズメらしくチュンチュンと鳴くようになってきた。
また元気になって来て、一生懸命起き上がろうとしている。
しかし、どうもまだ起き上がれず倒れてしまう。

スズメの子と桑の実

そのまま職場へ連れていき、ときどきエサを与え、フンをふき取る。
ミルウォームをちらつかせると、自分からクチバシを開くようになってきた。
開いた口の奥の方へ押し込まないと呑み込めないらしく、割りばしでつまんで入れるのは苦労した。
また、昼くらいになると、ミルウォームを一匹丸のまま食べられるようになった。
そして、10匹くらい食べると満足するのか、もう自分からはクチバシを開こうとはせず、また眠くなるのか目を閉じて眠ってしまったりする。

午後になると30分くらいの間隔で盛んにチュンチュンと鳴いてエサを催促するようになってきた。
もう十分元気を取り戻したと思った。
しかし、よく観察してみると、左足がダメになっているらしいことが判明。
左足はまったく大腿骨に当たるところからつま先まで全く動かない。
さわっても痛そうにしないし、骨折しているようにも見えないが、感覚がまるでなく神経が通っていないらしい。
どうやらそのせいで起き上がれないのだろう。
このまま放置していたら自然に治るようにも見えないし、しかるべき時期になったら獣医の診断を受けて、治せるようなら直してやりたいと思う。
もし、治らないとなったら、、、スズメは片足でも生きていけるのだろうか?
イヌやネコなら足が一本ダメになっても、もともと4つ足だから何とか生きていけるけど、鳥は足が二本なので、歩けなくなるだろう。
松葉づえとか車いすと言うわけには行かない。
フラミンゴなんて一本足で立っているけど、それは立っているだけ。
また、飛び立つときも片足ではジャンプ力にも限界があるだろう。

給餌
[エサを催促するようになった]

夕方くらいになるとチュンチュンとエサを催促する間隔が15分おきくらいにまで短くなってきた。
桑の実もミルウォームも夜までには全部食べ尽してしまった。

3日目、火曜日。
このスズメは寝坊助らしい。
朝は7時近くに起こすのだけれど、「あー死んじゃったか」と思わせるようにゴロリと横たわって目を閉じたまま全く動かない。
つまみ上げると、ようやく目を覚ましたのか、キョトンとした表情をする。
「さて、また1日このスズメの世話が始まる」とちょっと負担にも感じる。
可愛いのだけれど、ちょっと手間がかかりすぎる。
せめて自分でエサを食べてくれるくらいになってほしい。
ミルウォームは喜んで食べるけれど、それは私がミルウォームを一匹ずつつまんで口の奥に入れてやるからで、自分からミルウォームをついばもうとはしない。
私は出張も多いし、そう毎日オフィスへ連れて行くわけにもいかない。

職場のスタッフに「だれかスズメの面倒を見てくれる人を探してくれないか」と依頼をする。
が、なかなか簡単には見つかりそうもない。
15分間隔でのエサやりが続く。
食べるとフンをする。
そして、食べ終わると寝る。
初日と比べて、少し毛が生えてきているような感じだ。
最初は禿げ頭だったのに、茶色い毛が少し増えてきた。
お腹のあたりは全く毛がなくて、ちょっとグロテスクに見えるけど、きっとこれも数日のうちに毛が生えそろってくるのではないだろうか。
調べてみたら生まれて2週間後くらいでスズメは巣立ちをすると書かれてあったので、あと1週間か10日くらいで飛べるようになってくれるのではないかと期待する。
次の私の出張が10日後なのでなんとか間に合ってくれそう。

しかし、片足がダメで、起き上がれないのは問題。
枝とかなら片足でもとまってくれそうな気がする。
手の指にとまらせてみようとするが、握力がまだないためか、まったくダメ。
これも体力がついてくれば、枝に片足立ちができるようになってくれるのだろうか。
いまから10日後を目指してリハビリの特訓をさせていくべきかと考える。

ミルウォームばかり食べてデブになったらますます飛べなくなりそうなので、チンゲン菜もちぎって食べさせる。
このチンゲン菜は市場で買ってきたものなのだけれど、水洗いしたら2匹の青虫(たぶん蛾の幼虫)が出てきた。
その青虫はミルウォームの3倍くらいの大きさがあって、こんなの食べさせて大丈夫だろうか?
切り刻むのはちょっと嫌だなぁ、、と思いながら箸でつまんでスズメの前に持って行ったらクチバシを大きく開け、身体を振るわせてクレクレとねだる。
エイヤっとそのまま放り込んだら、丸呑みしてしまった。
続けてもう一匹も丸呑み。
大きいけどミルウォームより青虫の方が柔らかく、そして美味しいのだろう。

だんだん食べる量も増えてきて、次々にミルウォームを食べる。
食べると言っても、よく噛んで食べるわけではなく、丸呑み。
しかもミルウォームはまだ生きているので、大きく口を開けたとたんに、ノドの方から先に食べてミルウォームが這い出してきて、そのまま逃走を図ろうとする。
このスズメの腹の中で、ミルウォームたちはまだモゾモゾと動き回っているのだろう。

そして4日目
つまり今朝のことである。
寝坊助のスズメを起こす前に、自分の朝食の支度を先にすることにした。
今朝も日課のジョギングを夜明け前からしていたけれど、途中で雨になってしまい、下宿に戻った時にはびしょ濡れになっていた。
シャワーをして着替え、お茶を飲むために階下にある電気ポットへお湯をもらいに下りる際、部屋のドアを閉めずに下りてしまった。
お茶を手に持って部屋に戻り、そろそろスズメを起こそうかとスズメを入れている入れ物を置いたベッド横を見たらば、入れ物がない。
「あれ、へんだな」と近づいてみたらば、入れ物は床に落ち、スズメを包んで寝かせていた柔らかな布も床に広がっていた。
なにかの拍子に落っこちたのかな?
片足のスズメなので、仮に落ちても自分で歩いてどこかへ行くということは考えられない。
とりあえず周りを探していたら、ベッドの下からゴロゴロとノドを鳴らしながら下宿のネコ、ウォッカがすり寄ってきた。
「おまえやったか!」とウォッカの顔を見たが、なにも応えず嬉しそうにゴロゴロさせているだけ。
私の黒ネコも以前はよくアパートの屋上で小鳥を捕まえてきていた。
半殺しの状態で捕まえてきて、小鳥をおもちゃにして遊んでいるが、死んで動かなくなると、もう関心がないのか、そのまま放り出してしまっていた。
そんな経験があるので、部屋のどこかにスズメが放置されているのではないかと一生懸命探してみた。
しかし、見つからい。
まだ羽も毛も生えそろっていないけれど、スズメだってネコに襲われればバタバタして、羽や毛が抜け飛び散ると思うのだが、それらしきものもない。
ネコに噛まれれば血も流れるだろうけど、赤いものなどどこにも流れていない。
まさか、一夜のうちにスズメは大きくなり、飛べるようになって、どこかへ飛んで行ったのだろうか、ディズニーの漫画映画じゃあるまいし、そんなことはありえないだろう。
可能性として考えられるのは、ネコのウォッカがスズメの子をまるでスズメが青虫を食べる時のように丸呑みしてしまったのではないだろうか。
可能性としてはかなり高い。

ウォッカ
[ぜんぜん悪びれた表情も見せないウォッカ]

ウォッカは食いしん坊ネコだし、ふだんでも朝はとてもお腹を空かしている。
ネコが小鳥を捕まえてしまうのは自然の摂理だからウォッカが悪いわけではない。
私がもっと細心の注意をして、部屋のドアもしっかり閉めずネコの侵入を許してしまったのだから、責任は私にある。
だんだんかわいくなってきていたところなので、とても悔しくあきらめきれないけれど、その反面、「これで開放された」とも感じてしまっている。
スズメさん、ごめんなさい。

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| 日常 | 05:39 PM | comments (0) | trackback (0) |

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